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世界一の選手に「近づいている感覚はある」石川祐希が語る“日本人初のチャンピオンズリーグ優勝”「勝ち続けている選手がナンバーワンだと思います」
posted2025/08/25 17:00
人気動画シリーズ「Numberバレーボールナイト」で日本人初のチャンピオンズリーグ優勝を果たした石川祐希が、その胸中を福澤達哉に明かした
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藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
ペルージャ移籍後、いきなりMVPに
福澤 まず昨シーズン、ミラノからペルージャに移籍した決め手は何だったんですか。
石川 ペルージャとミラノの大きな違いは、優勝経験の有無です。所属する選手も環境も違います。環境とは、練習の質やチームの選手への対応などです。それが大きな要因となりました。僕には優勝経験がなかったので、新しい経験をしなければ、成長していかないなと思ったんです。
もちろん、セメニウク選手やプロトニツキ選手といった、昨年出た大会ですべて優勝をしているような選手とポジション争いをすることになるので、ミラノと比べて出場機会が減るのはわかっていました。でも、自分をもう一つ高めるためには、自分にとって不利というか、ストレスがかかるところで揉まれるのが一番だと思いました。
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オリンピックの後のシーズンでしたし、常にコートに立っていないといけないという考えはなかったので、挑戦をしたいと思いペルージャに決めました。
福澤 とはいえ、移籍後いきなりスーペルコッパで優勝してMVPを獲る、幸先の良いスタートを切りました。そこから、想像していたようになかなかスタメンの機会がない苦しい時間が訪れた。今までは当たり前のようにスタメンだったのに、初めての経験をして、どんな心境でしたか。
石川 出られないことへのストレスはほぼありませんでした。スーペルコッパも最初は出られなくて、セメニウク選手かプロトニツキ選手のどちらかが試合に出られなくなった時の準備をしておこうと思っていたら、プロトニツキ選手が怪我をしてしまって、出番がきて、優勝してMVPをいただけた。
プロトニツキ選手が怪我から戻ってきてからは、3人でうまく回していました。強豪相手には、セメニウク選手とプロトニツキ選手でスタート行くことが多く、途中で代わって僕が出る。リーグ前半戦のトレント戦、チヴィタノーバ戦もそうでした。なので、自分自身、試合に出られていないという感覚はありませんでした。
求められる役割やスキルは変わった?
福澤 チームが変われば、求められる役割やスキルが大きく変わると思います。そういったなかで、昨シーズン、注力した部分はありますか。
石川 シーズンが始まる前に、ある程度スタメンで出る選手、出ない選手が監督から発表があって、その時にサイドの3人は誰を使うか決まっていませんでした。(その都度)いい選手を使っていくと。その時、評価されるいい数字というのは、自分がレセプションしたときのサイドアウト率、サーブのブレイク率、ボールにどれだけ触っているかだと、監督から言われていたので、そこを常に意識していました。
福澤 サーブの打ち方を大胆に変えたりもしたそうですね。

