野ボール横丁BACK NUMBER
「いつでも監督をやめていい」「記者たちにモテる」沖縄尚学と日大三…2人の甲子園監督の“決定的な共通点”「食事中とかも、けっこうタメ口なんで」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/08/25 11:05
沖縄尚学の比嘉公也監督、日大三の三木有造監督。2人の発言録から「勝てる監督の条件」をひもとく
「周りがおまえじゃダメだって言うなら、はい、わかりました、って辞めればいいだけですから。もともとなりたくて監督になったわけじゃないですし、監督に固執するつもりはないんで。選手にも言ってるんですよ。やるべきことやってダメだったら、サヨナラするから、って。選手たちには申し訳ないんですけど。でも、この先、何十年もやろうなんてまったく思ってないんで」
2人とも「記者からモテる」
任せてくれて、叱ってくれて、変化を受け入れる度量があり、いざというときは責任を取ってくれる。
これが現代の勝てる高校野球の監督の条件なのだとひとまず言っていいのかもしれない。いや、というよりも、いつの時代も変わらぬ優秀なリーダーの条件のような気もする。
ADVERTISEMENT
あと、もう一つ、つくづく似ているなと思った両監督の共通点がある。2人とも記者たちにモテるということだ。両監督の周辺には常に記者の輪が出来ていて、笑いが絶えなかった。
監督が好印象ならいい記事が増え、いい記事が増えれば世間の印象もよくなる。印象がよくなれば世論が形成され、このチームを応援したいという空気が生まれる。やはり、監督の人柄も勝てる監督の条件の1つと言えるのではないだろうか。無論、それは裏を返せば、情報操作に長けているということでもある。

