沖縄尚学・末吉良丞に中学時代の恩師が“あえての苦言”「甲子園で悪いクセが…」「新垣有絃が見事だった」あの大投手・江夏豊にも聞いた“本音の末吉評” 

　興南監督の我喜屋優も「見るからにパワー系の“狙って三振が取れる”ピッチャー。あとは変化球とコントロールをつければ、今の高校生ではまともに打てない」と手放しで末吉を褒めていたことを島袋に告げると、「やはりそれくらい力があるということなんですね」と驚いていた。我喜屋がめったに選手を褒めないことを知っているからだ。

　今は県民として沖縄尚学を応援しているものの、沖縄に帰ってきた瞬間から「ライバルとしてしのぎを削っていく」と、島袋は自分に言い聞かせるように告げた。

中学時代の恩師は末吉に“苦言”「新垣投手は見事」

　末吉の中学時代の恩師の大浜淳一は、準決勝・山梨学院戦の試合中継をつぶさに見たうえで、あえて教え子に苦言を呈した。

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「初回から淡々と投げている感じはしたんですけど、表情を見て、今日は本調子じゃないってわかりましたね。6回のノーアウト二塁でピッチャー前のバントを三塁に投げて悪送球で1点を献上したシーンは、中学時代のままです。自分でどうにかしないといけないという責任感の強さはわかるんですけど、あの状況でいい球を投げてもセーフでしたね。そこまで無理をする必要はないのに、悪い癖で先走ってしまいましたね」

準決勝の6回、末吉良丞が三塁でアウトを取ろうとして、悪送球になった場面　©Hideki Sugiyama

　自分が何とかしないといけないという気持ちが強すぎて強引なプレーをしてしまう。そんな悪癖を指摘した。

　疲労のため上体が少し突っ張っていたにせよ、スライダーのキレや右バッターへのインコースの攻めは見事だった。球速も140km前後だが、2回以降は威力のあるストレートを投げていた。ただ4回、5回に投げた変化球がホームベース手前でワンバウンドしたのは力んでいた証拠だろう。それでも要所を抑えた。5回の2失点も1死満塁でサードゴロに打ち取ったにもかかわらず、打球がイレギュラーする不運に見舞われたもので、完全に崩されて点を取られたわけではない。

　結局、末吉は5回3分の2を116球、被安打6、失点4（自責点1）で降板。この時点で山梨学院が4対1とリードする展開だったが、リリーフした新垣有絃(あらかき・ゆいと)の快投が沖縄尚学に流れを引き込んだ。

　大浜は新垣の投球をこう称える。

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