“群雄割拠”女子100ｍハードルで高校界に「ある異変」…歴代記録が軒並み更新“衝撃のハイレベル”のワケは？「12秒台を出すと決めていたけど…」 

　タラレバをいくら並べても仕方ないが、一発決勝ではなかったゆえのモヤモヤは残った。

　3組目では福田が、自身の高1最高に並ぶ13秒42（＋1.2）で組1着。石原と井上のタイムには届かなかったが、1年生にして3位に食い込み、表彰台に上がった。

「予選が1位通過だったので優勝を視野に入れていたんですけど、初めてのインターハイでメダルをもらえるから満足です。

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　中学校の時までは競ったり、前の組で速いタイムを出されたりしたら、焦って思うような走りができなかったんですけど、今回のインターハイでそういうことがあっても、楽しく感じて、自分の走りができました。中学校から成長したと思います」

　満足のいく結果を残し、メンタル面での成長を実感していた。

ルーキーの福田は1年生ながら表彰台に　©Satoshi Wada

　今夏のインターハイは、石原が高校新記録で優勝し、2位に井上、3位に福田と続いた。3強がそろって表彰台に上がったわけだが、やはり同一レースで勝負が決するのを見たかった。

秋以降の超ハイレベルな争いに期待

　秋の国民スポーツ大会は少年女子共通種目として100mハードルが実施されるが、1県1代表となるため、井上と福田がそろってそのスタートラインに立つことはない。

　とはいえ、再び彼女たちがハイレベルな争いを見せてくれるのだろう。

「まずは国スポで、自分の高校記録を更新できるように頑張りたいです」

　石原は国スポではハードルに専念し、さらなるタイムの短縮を狙う。一方、国体での雪辱を誓う井上は、圧倒的なパフォーマンスを見せるつもりだ。

「スタートを良くして12秒台に乗りたい」

　はたして、そのような夢の記録がこの秋に見られるだろうか。今年30代に入る福部や中島が今なお進化を続けているが、伸び盛りの高校生からも目が離せない。さらに、今季は中学新記録も誕生している。彼女たちは、日本の女子100mハードルをますます活気づける存在になっていくはずだ。