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泉谷駿介「小さな体に大きな潜在能力。陸上界の二刀流が世陸に挑む」
posted2025/08/24 09:00
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
KYODO
東京・国立競技場で9月13日に開幕する世界陸上選手権でのメダル獲得に向け、男子110m障害で13秒04の日本記録(タイ)を持つ泉谷駿介(住友電工)が、進化の兆しを見せている。
世界選手権の代表選考会を兼ねて7月に行なわれた日本選手権。男子110m障害は、トラック&フィールドで最多の4選手が標準記録を突破しているハイレベルな種目。この戦いを制したのが泉谷だった。
「決勝前のアップで右ふくらはぎを痛めてピンチだったけど、気持ちで走った。最後はガムシャラだった」
笑顔に安堵感が浮かんでいた。泉谷はふくらはぎの状態を気にしたためスタートで出遅れ、最初のハードルでは4番手。しかし、ここからの巻き返しが見事だった。6台目で3番手、8台目で2番手に上がり、ラスト10台目の後は持ち前のスピードをフルに出力してフィニッシュ。2位の野本周成に100分の1秒差で競り勝った。タイムは13秒22(追い風0.8m)と平凡。しかし、2年ぶり4度目の優勝と世界選手権の代表権を手にした25歳の勝負強さには確かな経験値と、底知れぬポテンシャルが凝縮されていた。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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