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甲子園「優勝候補の一角」がまさかの初戦敗退の衝撃…“最速158キロ”剛腕エースはなぜ先発しなかった? 監督は「プランの読み違えはあった」
posted2025/08/14 11:05
京都国際との初戦に敗れた群馬代表の健大高崎。最速158キロを誇る剛腕・石垣元気を筆頭に好投手をそろえ、優勝候補の一角と言われていたが…
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph by
Sankei Shimbun
昨年の春の王者と夏の覇者。
「初戦屈指の好カード」と呼ばれた一戦は、横浜と並び優勝候補に挙げられている健大高崎に分がある、といった声が多かった。
相手の京都国際には昨夏の胴上げ投手である西村一毅が健在ではあるが、健大高崎が擁する投手陣の厚みは全国でも屈指だ。
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エースの石垣元気は“最速158キロ”とも呼ばれる剛腕で、「世代ナンバーワン」の称号を得る。昨年のセンバツではエースナンバーを背負い、石垣とともに優勝の原動力となった佐藤龍月は、左ひじのトミー・ジョン手術を経てこの夏に復帰を果たした。
「歴代最強の投手王国」だった健大高崎
下級生時代からマウンドに君臨するふたりに加え、今年のセンバツでベスト4進出に貢献した左腕の下重賢慎に山田遼太、島田大翔も独り立ちした。豊富なタレントを揃える投手陣は、監督の青栁博文をして「歴代最強の投手王国」といわしめる。
王国を支えるのは盤石の必勝リレーだ。
安定感がありゲームメークに長けた下重が先発マウンドに立ち、試合展開によっては山田や島田を挟んで相手の目先を変える。そこから球威のある佐藤に繋ぎ、最後はパワーピッチャーの石垣が圧倒して締める――。群馬大会決勝ではライバルの前橋育英を相手に、下重、佐藤、石垣の継投によりタイブレークとなった延長11回の激闘を制したように、粘り強さも身についていた。

