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自己最速160kmでも「スピードにはこだわってない」西武・今井達也が明かす“ちょっと残念なこと”「最近は真っすぐをはね返そうという打者が…」
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市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byShunsuke Mizukami
posted2025/08/21 17:00
昨季は最多奪三振のタイトル獲得などで西武投手陣を牽引した今井達也。今季も18試合登板時点で防御率1.72の安定した活躍を見せている
わかっていてもバットに当たらない直球。それが、今井が打者を圧倒しているように見える要因のひとつなのだろう。
「最近は真っ直ぐをはね返そうという打者が減っている感じはしますね。それは、ちょっと僕は残念に思っているところなんです。僕の投球は真っ直ぐとスライダーのほぼふたつなので、真っ直ぐを諦めて、カウントを取るスライダーをねらって打とうというバッターが増えています。チームとしてそういう作戦なのかもしれませんけど、ちょっと残念だなって」
真っ向勝負の機会が減ったことを憂えてもいる。
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幼少期から周りの野球少年に比べてボールは速かった。
「小学校のときからチームでは一番速かったんですけど、プロに入ってから、たまに周囲の選手と『小学校のとき何kmぐらい投げてた?』という話をすると、みんな僕より速かった。そのときに『大したことなかったんだなぁ』と思い知りました」
プロ入り後、周囲の投手の力に驚き、自分もスピードを上げたいと考えた今井はウエート・トレーニングに力を入れるようになる。特にコロナ禍で開幕が延びた'20年は、練習時間が多くとれたこともありトレーニングに費やす時間が増えた。
「当時も先発だったので1試合、全球を全力で投げるわけにはいきませんから、当然7~8割で投げる場面もあるのですが、そのときの球速があまり落ちなくなった手応えはありましたね」
あるときはダルビッシュ、あるときは千賀を真似て…
プロ入りした直後から、今井は自身のピッチングを探して試行錯誤を繰り返していた。登板するたびにピッチングフォームが変わる。入団当初は岸孝之(東北楽天)に似たフォームだと周囲から言われていたが、その後もなかなか定まらない。あるときはダルビッシュ有、またあるときは千賀滉大と、好投手と言われるピッチャーのフォームを真似て、自分のスタイルを生み出そうともがいていた。
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