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豊橋中央の応援でまさか…“超異例の助っ人”が出現「地方大会決勝で敗れた相手」を東邦がサポート「同じ愛知の仲間」「即答でOK」甲子園ウラ話 

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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posted2025/08/10 11:14

豊橋中央の応援でまさか…“超異例の助っ人”が出現「地方大会決勝で敗れた相手」を東邦がサポート「同じ愛知の仲間」「即答でOK」甲子園ウラ話<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

「決勝で豊橋中央に敗れた」東邦高の吹奏楽部が豊橋中央を異例のサポート(写真は2016年夏)

吹奏楽部部員の減少も深刻

 野球部人口の減少がよくニュースに挙がるが、吹奏楽部も同様だ。少子化に加え、物価高で楽器の値段も急騰。吹奏楽部出身の筆者が高校生の頃と比べ、倍以上の値段になっている楽器も多く、トランペットもクラリネットも打楽器も、価格を見ると思わず「えっ!?」と声が出るほど高額で驚く。ただでさえ高価な楽器が、手が出ないほどさらに高くなり、個人での購入が厳しいのはもちろんのこと、部の備品楽器を揃えることもままならないという状況が、全国の吹奏楽部で起きている。

 このような吹奏楽界の事情もあり、「困っている学校の力になりたい」「オール愛知で応援したい」と、東邦マーチングバンド部は喜んで応援を引き受けたのだ。

リクエスト「30曲」すべて応じた…

 7月31日、豊橋中央の野球部員が東邦を訪れ、マーチングバンド部に挨拶するとともに、応援内容を打ち合わせした。通常、友情応援は、演奏を担当する学校の「応援曲リスト」から選んでもらうケースが多いが、今回はすべて豊橋中央のリクエストに応えることにしたという。その数、実に30曲。筆者は長年にわたり野球応援の取材を続けているが、30曲はかなり多く、地方大会終了から甲子園初戦までの短期間で練習するのは大変だ。もっと曲数を絞り、自分たちがいつも演奏している曲にすることだってできたはずだ。

【次ページ】 東邦部員「同じ愛知の仲間」

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