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「モメる理由なんて1つも」岡田彰布vs掛布雅之も吉田義男vs村山実も…“阪神の派閥抗争”はマスコミ発? OBが証言「ミスリードの責任は大きい」
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江本孟紀Takenori Emoto
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/22 17:00
バースと再会した際の掛布雅之、岡田彰布
しかし、私が現役のころに二人がロッカールームで野球談議に花を咲かせている姿を見たことがあったし、口論している姿など一度も見たことがなかった。なんでこんな話になっているのか不思議に思って岡田に尋ねてみると、
「スポーツ紙がありもしない話を一方的に書いているだけですよ。僕が掛布さんと揉める理由なんて何ひとつないんですから。掛布さんは穏やかな人柄ですし、僕はいち野球人として掛布さんを尊敬しているんです」
とまで話していた。その後、掛布に聞いても、「ああ、なんか、そんなことを一部のマスコミが言っているようですね」と苦笑いしながら答えていた。掛布の表情や口調からして、とても岡田と以前、何かあったようには思えない。そうなると答えはひとつだ。
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「マスコミにしてやられたんだな」
世紀の握手報道に「ホンマ、いい加減にしてほしいですわ」
岡田が2004年に阪神の監督に就任した年の春季キャンプで、掛布が視察に来て最後に「頑張れよ」と岡田と握手をしたときに、スポーツ紙のカメラマンがその瞬間を見逃さず、翌日の紙面で「世紀の握手」と書かれてしまった。
この記事が出てから数日後に、私が阪神のキャンプ取材で岡田に会うと、
「まだ、そんな感じで見られていたんですかね。ホンマ、いい加減にしてほしいですわ」
と嘆いていたのだ。吉田さんと村山さんの派閥の件といい、掛布と岡田の件といい、話に尾ひれをつけてミスリードしていったマスコミの責任は大きい。〈つづく〉
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