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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「完全に迷っていましたね…」ルーキーイヤーの壁に当たったDeNA石田裕太郎が己を再発見できたわけ「“あの先輩”のスタイルをお手本に」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/06/30 11:00
昨季は4勝を挙げたがポストシーズンには貢献できなかった。今季たどりついた新スタイルの「お手本」とは?
状況を打開したいがゆえにもがき、向けるべき矢印の方向が定まらなかった。
「その後『みやざきフェニックス・リーグ』のときも状態が全然よくなくて、決まったと思った変化球が打たれたり、真っすぐが簡単に弾き返されたり、これはちょっとおかしいなという違和感がずっとありました」
その後、石田は考えを改めなければいけないと、フェニックス・リーグ後は、休むことなくブルペンに入る。ファームの入来祐作コーチや加賀繁コーチの指導のもと、自分の感覚を取り戻すために投げ込んだ。すると、ようやくいい感覚が戻ってきたという。
石田が手本にした「ある選手」
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ひとつの気づきがピッチングを劇的に変えることがある。石田にとってその決め手になったのはアームアングルだ。アームアングルのばらつきがピッチングに影響していたことがわかった。
「僕の特長は、やっぱりアームアングルの低さと、そこから出る真っすぐの独特の軌道です。そこを見失いかけてしまったんですけど、アドバイスや映像を見返すことで、そこに気づいて、改めてストロングポイントだと確信したんです」
そしてもうひとつ、今季の自身の礎になっているのが、ピッチングにおけるメンタリティーだ。開幕後にファーム落ちしたとき、再昇格するために、石田はある選手をお手本とすることにした。
〈つづく〉

