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米メディア衝撃「オオタニがそうしたいと言った」じつはロバーツ監督もドジャース同僚も知らなかった“大谷翔平の投手復帰”ウラ側…エンゼルス元監督も告白
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/06/21 06:01
今明かされる大谷翔平の電撃投手復帰、そのウラ側とは
「オオタニがそうしたいと言った」
しかし具体的な日程をなぜこうも濁し続けているのか。はっきり言及してしまった場合、実際の復帰がそれよりも遅れたときにネガティブなイメージがついてしまうため、それを避けるためなのか。不思議な状況は続いていた。
そして6月15日、Xデーを巡り実に珍しい情報錯綜が起こった。ロバーツ監督がその日の試合後の会見で「ショウヘイは(16日からの)パドレスとのシリーズのどこかでオープナーとして先発登板する可能性が高い」と明かしたのだが、その約15分後に球団が公式Xでシリーズの初戦である16日に先発すると発表し、周囲をまた驚かせたのだ。
なぜこんな情報錯綜が起こったのかというと、恐らくロバーツ監督は、登板日を伝えられる連絡系統の上位にはいなかったのだろう。復帰日を決めたのが大谷本人だったため、連絡系統が通常の球団のそれとは違っていたと思われる。
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そしてそれは、米球界では驚きの事実だった。
スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」で活躍している大御所のケン・ローゼンタール記者は自身のポッドキャストでこう指摘した。
「ショウヘイ・オオタニの突然の投手復帰は本当に驚きだった。球団は彼の復帰までのプロセスを慎重に進めてきて、復帰はオールスター戦後だと言い続けてきたのに、なぜこんなに早く復帰したのか。それはオオタニがそうしたいと言ったからだ。チームの事情や状況とは関係なく、彼が決めた」
エンゼルス時代の監督も語った…
ESPNの名物記者バスター・オルニー氏は、大谷が復帰登板した日に自身のポッドキャストでこう解説している。
「この電撃復帰劇は、オオタニがドジャース球団内でどれだけ強大なパワーを持っているかを示している。通常だったら球団フロントや首脳陣が、リハビリの進み具合やチームの試合日程を見て、ヘイ、ショウヘイ、たぶんこの辺りで復帰したらいいのではないかと思うがどうだ、と提案する。だがこのケースはまったく違う。すべてオオタニが考え、オオタニがこの日に復帰登板したいと言えば、それで決まる。ここまで球団内で主導権を持つ投手を私は他に知らない。サイ・ヤング賞に輝いたことがあるドジャースの同僚のブレーク・スネルやクレイトン・カーショーだって、今季サイ・ヤング賞候補に名が挙がっているヨシノブ・ヤマモトだって、そこまでの権限は持てない」
投打の二刀流を続けていく上で、球団が大谷自身の意向を尊重するというやり方は、エンゼルス時代もそうだった。2020年から3年間、エンゼルスの監督を務め名将と評されたジョー・マドン氏は6月18日配信のポッドキャスト「ファウル・テリトリー」に出演し、こう話している。

