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不動の1番として名門の顔に。ヌートバーの出塁最優先主義。
posted2025/06/20 09:00

ヌートバーは来春に控えた第6回WBCについて「ぜひ出場したい」と出場を熱望
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四竈衛Mamoru Shikama
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Getty Images
カージナルスのラーズ・ヌートバーは6月7日のドジャース戦後、茶目っ気たっぷりに笑った。「翔平と山本相手に6打数6三振にはなりたくなかったからね」。'23年5月3日、大谷翔平(当時エンゼルス)と対戦した際は、3打数3三振。この日の山本由伸との初対戦では第2打席までは2三振を喫した。第3打席に詰まった当たりの左前安打を放つと、人懐っこい表情のまま、侍ジャパンでともに闘った盟友との対決を振り返った。
大砲ポール・ゴールドシュミットが退団した今季カージナルスで、今後の軸として期待されるヌートバーは、開幕以来、「不動の1番」を任されている。昨季は、計8人が1番として起用されながら出塁率は2割9分2厘。得点力不足の要因となっていた。そこで白羽の矢が立ったのが、ヌートバーだった。昨季はキャンプ中の故障で出遅れたものの、9月を打率2割9分、4本塁打、出塁率4割2分と力強くフィニッシュした。過去2年、ポストシーズンを逃した古豪にとって、再建へのカギのひとつが、「1番ヌートバー」だった。
