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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
プロ7年目の初勝利も「勝ち星より40試合以上登板を」DeNA “育成の星“宮城滝太は「山﨑康晃さんの人間性」「バウアーのカーブ」を参考に成長中
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/06/16 11:04
5月16日には7年目にしてプロ初勝利を挙げた宮城滝太
「不思議なもんですよね」
宮城は苦笑しながらつづけた。
「チームには申し訳なかったですけど、誤解を恐れずに言えば、あのままで行くよりも次の日に黒星を食らって良かったんじゃないかって思うんですよ。ここでガツンと、気を引き締めないとやられるよって言われたような気がしたんです。安心するなよ、調子に乗るなよって」
長丁場で貢献していくために
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そう、ペナントレースは長い旅だ。いいときもあれば、悪いときもある。失敗をしない選手はいない。しかしそのなかでいかに調子の波を小さくし、長くチームのために尽力できるかがプロ野球選手としての価値だ。宮城は、まだその旅路を出航したばかりだ。
いくら先発陣の調子がいいとはいえ、これから夏場を迎えブルペンの状況は逼迫していくことが予想される。宮城には若手としてチームが苦しいときに気を吐いてもらわなければならず、そして最後まで完走し、昨年悔しい思いをしながらテレビで観戦し目に焼き付けた光景の中心にいなければならない。
「そうですね。とにかくチームの力になれるように。最低でも40試合以上投げたいと思っていますし、これからも準備を怠ることなく、メンタルを充実させてやっていきたいと思います」
来月で25歳になる高卒育成出身投手の星は、気合いと柔らかさの混じった表情でそう言った。勝負はここからだ――。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

