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「高3以来じゃないですかね」キャプテン鎌田大地と「ポストを蹴って悔しがった」鈴木唯人が…じつは“負けた豪州戦”で見えた日本代表の進化
posted2025/06/10 06:01

オーストラリア戦でキャプテンを務めた鎌田大地。試合は負けたものの、今後につながりそうなプレーも垣間見えた
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Robert Cianflone/Getty Images
「高校3年以来じゃないですかね」
6月5日のオーストラリア代表とのアウェーゲームで、鎌田大地は日本代表のキャプテンマークを初めて託された。キャプテンの重責は東山高校時代以来――つまり“オトナ”になってから初めて担うことになった。
声かけは「いつもよりは」やらないと
この試合で先発した選手では、代表41戦目の出場になった鎌田以外に、10試合出場以上した経験があるのは町田浩樹(17試合)だけ。現代表は試合2日前には戦術練習でスタメンになりそうな選手が誰なのかをおおまかに把握できる。だから、試合当日のホテルでの軽食タイムのあとに森保一監督に呼ばれても、鎌田は驚かなかった。
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「そういう感じになるのかなと思っていましたから。キャプテンだからと言って、特別に何か変わったわけではないです。『いつも通り』、自分がやるべきことをしっかりやって。ただ、声かけの部分は、『いつもよりは』やらないといけないなと思っていました」
鎌田は最終予選で採用している〈3-4-2-1〉の左シャドーに入ったが、ビルドアップ時に左サイドの低い位置に降りて、左ウイングバックの俵積田晃太に高い位置をとらせるシーンが目立った。とはいえ鎌田に言わせれば『いつも通り』の感覚だったという。鎌田は、こう振り返る。
「特に何かを変えたわけではなくて、『いつも通り』やっていました。ただ、出ている選手によって特徴は全然違うと思うので、それにできるだけ合わせられるように……とは考えていました」
「自分のいらないパスミス」が失点につながったが
FAカップで初優勝を飾ったクリスタル・パレスでは――マンチェスター・シティとの決勝などが象徴的だが――最近はボランチの位置でプレーしている。代表では1つポジションを上げたことで、こんな感覚を抱いた。
「1個前でやると、スプリントなどの回数が増える。ボランチだと走行距離が増えると思いますけど、スプリントの回数という意味では前の方がしんどいという感じ」
オーストラリア戦では64分、久保建英が佐野海舟と交代で投入されたタイミングで、鎌田はポジションを下げて左ボランチになった。90分の失点は相手のスローインから生まれたが、相手にスローインを与えるきっかけになったのは鎌田のパスミスがきっかけだった。