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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「監督も選手も超親切だった」なでしこジャパン取材ブラジル人記者が感激した“品格と質”「コガはまるでトミヤス」「セイケは“厄介”」
posted2025/06/08 17:01

ブラジル遠征第2戦で先制ゴールを奪った清家貴子。突破力含めて進境著しい
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
JFA
なでしこジャパンはブラジル女子代表との敵地での連戦で連敗を喫した。試合内容や両指揮官の言葉は第1回にて触れたが――この2試合について、ブラジルメディアきっての日本通で、なでしこジャパンのトレーニングを現地取材したチアゴ・ボンテンポ記者(サンパウロ在住)に感想を聞いた。
長旅と12時間の時差…2戦目は見違えたよ
――第1戦、なでしこはブラジルのパワーとスピードに圧倒された感がありました。
「現象としてはそうなんだけど、長旅の疲れと12時間の時差の影響が大きかったと思う。2023年末のブラジル遠征でも、なでしこは最初の試合で苦しんだ(3-4で敗戦)。しかし、2戦目では疲労と時差の問題をほぼ克服し、見違えるようなプレーを見せた(2-0で快勝)。
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男女を問わず、日本代表が外国の代表を国内へ招いて強化試合を行なうと、相手チームは長旅の疲れと時差の影響で実力を十分に発揮できないよね。それと同じことが、日本のチームが外国へ遠征すると起きる」
――ただし、2023年のブラジル遠征の最初の試合では、敗れたとはいえ、なでしこは2点のビハインドを跳ね返して一度は追いつく健闘を見せました。しかし、今遠征の初戦はそうはならなかった。
「その理由は、2024年以降のブラジルの成長にあると思う。2027年W杯の誘致に成功し、パリ五輪で銀メダルを獲得して、ブラジルは急速に強くなっている。なでしこだって、昨年末に就任したニルス・ニールセン監督がチームをしっかり掌握し、成長を続けているんだけどね」
コガはまるでトミヤスだ
――ここからは試合内容から評価していきましょう。第1戦で収穫があったとすれば?
「後半途中から出場した若手と中堅が、伸び伸びとプレーした。特に、チーム唯一の得点の起点となった籾木結花、シュートを決めた清家貴子は自信を付けたと思う」
――第2戦、ニールセン監督は先発メンバー6人を替えました。
「中2日の試合であり、大幅なメンバー変更を行なったは当然。初戦で途中から出場して良いプレーを見せた清家、籾木、松窪らを先発させたのは適切だったと思う」
――CBには、経験豊富な熊谷紗希と南萌華の代わりに19歳の古賀と21歳の石川を先発させました。