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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「監督も選手も超親切だった」なでしこジャパン取材ブラジル人記者が感激した“品格と質”「コガはまるでトミヤス」「セイケは“厄介”」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJFA
posted2025/06/08 17:01
ブラジル遠征第2戦で先制ゴールを奪った清家貴子。突破力含めて進境著しい
「熊谷は長年、守備の要となっているけれど、いずれは代わりのCBを用意しなければならない。その意味で、古賀は十分に期待に応えたと思う。彼女は守備ができて、パスを出せるから、サイドバックもCBもできる。男子の冨安健洋のような存在だね。石川も不運なオウンゴールはあったけれど、良いプレーを随所に見せた」
――2人は、代表でコンビを組むのは初めて。でも、若手時代、JFAアカデミー福島で一緒にプレーしていたそうです。
「道理で、息が合っていたはずだ」
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――オウンゴールの場面は、ブラジルが左CKをゴール前の絶妙の位置に蹴り、計8人が密集。GK山下杏也加がボールに触れず、ゴール前へ戻った石川の体に当たったものでした。
「山下は、初戦の前半に体の正面へのシュートを弾いて得点を許した。この試合でも、このミスが失点に結びついた。とはいえ、この2つのミスを除くと、素晴らしいセーブをしていたし、正確なフィードで攻撃の起点ともなっていた。クラブ(マンチェスター・シティ)でも良いプレーを続けており、現時点で日本最高のGKであることに変わりはないと思う」
ハセガワ不在でも20歳マツクボやセイケらが
――前半は清家、松窪らが決定機をつかみながら、決め切れなかった。それでも、後半開始早々、清家が得点を決めました。
「清家は、この2試合でチーム全得点の2得点を記録。この遠征で最もアピールした選手だったと思う。2戦目の後半に清家が交代したとき、ブラジルのテレビのアナウンサーは『厄介な選手がいなくなってくれてよかった』と言っていたからね(笑)。とはいえ、他にも多くの決定機がありながら決め切れなかったのは事実。今後のさらなる成長に期待したいね」
――他の選手で目立ったのは?
「松窪のスペースへの飛び出しと思い切りの良さ、 籾木のテクニックと状況判断の良さが光った。2試合で先発した左サイドバックの北川ひかるも、攻守に力を発揮した」
――今回の遠征には、攻撃の中心である長谷川唯がコンディション不良のため参加できなかった。
「長谷川がいないのは痛手かな……と思っていたんだけど20歳の松窪、これまで出場機会があまり多くなかった清家、籾木、三浦らが穴を埋めた。他にも、なでしこには未招集だけどU-17代表で活躍した18歳の眞城美春(WEリーグの今季ベスト・ヤングプレーヤー)という将来が楽しみな若手もいる」
2年足らずで二度もブラジルに…日本だけだよ
――エースストライカーで、2月のシービリーブスカップで4得点をあげて大会の得点王にしてMVPにも選ばれた田中は、無得点でした。

