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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
〈ドジャースを猛追せよ!〉松井裕樹が明かしたパドレス投手陣結束の秘密「ストロング・スタート」キャンプから繰り返した“合言葉”の成果
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byGetty Images
posted2025/06/01 11:06

チームメートからの信頼も厚い松井裕樹
異例の早い仕上がり
松井自身もメジャー1年目の昨季は、キャンプ序盤に腰痛を発症。スローペース調整を余儀なくされ、開幕はぶっつけ本番に近かった。
「今年は地に足をつけてしっかりできる。だから4月は絶対にいいスタートを切るんだ、っていうのをすごく何回も(投手コーチから)言われた」
松井はオープン戦10試合(9回2/3)に登板。「こんなに投げるんだ」と起用の多さに驚いた。MLB全体を見渡せば、開幕してから4月は試運転期間、162試合に加え、プレーオフの1カ月のロングシーズンを見据え、少し“ゆっくりめ”に入る選手たちもいるのが現実だ。だが、チームの空気は開幕時点で“仕上がっている”状態を各選手に求めていた。それだけ、チームは開幕直後を重要視していた。
好調維持を助けたルーティーン
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松井も他の投手陣に遅れを取らず、開幕ダッシュの波に乗った。そして大切にするルーティーンで日々の調整を進めている。それが遠投だ。日本では一般的な練習方法だが、米球界では短い距離で低く、強い球を投げる。その調整が一般的だ。だが、松井は体全体の力をバランスよく使った出力を維持するために毎日、遠投を取り入れている。
「20mの距離で強く投げることは試合中のブルペンでもできる。(遠投では)ゆっくりと距離を伸ばして、体を大きく使って投げることができる」
全力投球することで、強いボールを投げる感覚を絶えずキープする。それが、松井が遠投をする理由だ。昨季は5月ごろに長いシーズンを見越して、体力をセーブするために遠投を控えた時期があった。しかし、「それだと試合の出番がないと全力を出す日がない。(数日開いて)いざ試合のマウンドに上がって全力投球をコントロールして投げるのが、うまくいかなくなってしまったんです。練習と試合の出力を近づけなければいけない、と思ってそこから続けている」