SCORE CARD INTERVIEWBACK NUMBER
那須川龍心「偉大な兄の背中を見つつ我が道を行く19歳」
posted2025/06/04 09:00

text by

布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Susumu Nagao
「KOした瞬間は『見たか、俺は弱くないぞ』と叫びたかったというのが本音でした」
キックボクサーの那須川龍心が快進撃を続けている。3月29日にはムエタイの強豪クマンドーイ・ペッティンディーアカデミーと対戦。このタイ人は、かつて兄の那須川天心にミドルキックで大きなダメージを与え、キック時代の天心のライバルだった志朗に勝った猛者であり、戦前の予想では「龍心が圧倒的に不利」という声が大きかった。
しかし2R、龍心は右フックで先制のダウンを奪う。その一撃でロープまでクマンドーイは大きく吹っ飛んだ。
「アップしているとき、会長(父・那須川弘幸さん)に『この打ち方だと当たるからやってみな』と言われたんですよ。一瞬しゃがみ込んで頭の位置を変える。そうしたら相手は自然とそっちに目線が行くから、そのときに打て、と」
