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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「過去ばかりを気にしていたら…」箱根予選会“ルーキーが日本人1位”→日本選手権で“学生新記録”の衝撃から1年…帰ってきた東農大・前田和摩の現在地
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和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2025/05/28 06:00

ルーキーイヤーから数々の記録を打ち立ててきた東農大3年の前田和摩。1年以上のブランクを経て、ようやくの復帰戦となった
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各校のエース格が登場する最終組を任された前田は、1万mを28分30秒25で走り、組12着という結果だった。
「留学生に付く力は今はないので、後ろの集団の前の方でじっくり耐える走りをして、余裕あったら、最後頑張るっていう形にしようと思っていたんですけど、ちょっと位置取りを失敗してしまって、途中で前に出てしまった。
ペースを落とすぐらいだったら上げようと思って自分が引っ張る場面があったのは、事前に考えていたものとは違ったのですが、思い切って前を走れたのはよかったと思います」
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前田自身はレース展開が「下手だった」と振り返るが、現状を冷静に把握し第2集団でレースを進めながらも、じわじわとポジションを上げていくクレバーさは光った。
自己記録からは1分以上遅い。もちろん本来の前田の実力はこんなものではない。それでも、復帰戦としては上々の結果と言っていい。
なぜ前田の走りが注目された?
決して今回、突出した結果を出したわけではない。
それでもその走りが多くの関係者の注目を集めたのは、これまで前田が残してきた実績が、あまりに衝撃的なものだったからだ。
<次回へつづく>

