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「過去ばかりを気にしていたら…」箱根予選会“ルーキーが日本人1位”→日本選手権で“学生新記録”の衝撃から1年…帰ってきた東農大・前田和摩の現在地

posted2025/05/28 06:00

 
「過去ばかりを気にしていたら…」箱根予選会“ルーキーが日本人1位”→日本選手権で“学生新記録”の衝撃から1年…帰ってきた東農大・前田和摩の現在地<Number Web> photograph by Satoshi Wada

ルーキーイヤーから数々の記録を打ち立ててきた東農大3年の前田和摩。1年以上のブランクを経て、ようやくの復帰戦となった

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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Satoshi Wada

 5月にレモンガススタジアム平塚で行われた全日本大学駅伝の関東地区選考会。11月の伊勢路に出場する7校を決める熱戦が繰り広げられた一方で、あるひとりのランナーの名前を多くの関係者が注視していた。かつて名実ともに世代トップ級の活躍を見せたスーパールーキーが、ようやく表舞台へと戻ってきたのだ。《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》

注目が集まった“あるランナー”の存在

 彼は、本当に走るのか。走るとしたら、どこまで実力が戻っているのか――。

 11月の伊勢路への切符がかかった全日本大学駅伝関東地区選考会。上位7校が本選への出場を決めた対校戦の結果はさておいて、大きな注目を集めたのが1人のランナーの復活劇だった。

「改めてチームの一員というか、走りでチームの力になれたことがすごく嬉しいですし、またこの舞台に戻ってこられて嬉しいなと思います。

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 久しぶりのレースだったので、考えていた展開とは違って、ちょっと下手だったなと思うんですけど、それでも最後まで動かし切ることができたので、そこはよく頑張ったなって自分を褒めてあげたいくらいです」

 レース後、多くの記者に囲まれて、こんな言葉を口にしていたのが東京農業大3年の前田和摩だ。

 チームは13位に終わり本大会出場を逃したものの、前田の言葉からは再びスタートラインに立てた喜びがにじみ出ていた。

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