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日本代表メンバーに異変「森保監督が“個人的な思い”を語った」佐野海舟の招集だけじゃない“論点”…「驚きの選出」18歳・佐藤龍之介とは何者か?
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/05/27 17:03

5月23日の記者会見。日本代表の森保一監督はいつになく真剣な表情で「佐野海舟の招集」について語った
森保監督が語った佐野海舟への「個人的」な思い
森保監督も同じ質問を受けた。「彼のことをこれまで見てきましたが、私自身もコンタクトを取り、深く反省していると強く感じた」と話し、佐野海舟の気持ちを代弁した。
「彼がいまドイツで真摯に競技と向き合って、社会に貢献するという強い気持ちを持ってプレーしている。我々としても、またチームに迎え入れて、社会に貢献する日本代表の一員として戦っていいのではという判断をしました」
そのうえで、「個人的」な思いも言い添えている。
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「チームの一員を家族と考えたときに、指導者としてひとりの選手と向き合うなかで、ミスを犯した選手をそのまま社会から葬り去るのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族として与えることのほうがいいのでは、ということで判断しました」
代表復帰の舞台は用意された。あとは、佐野海舟がピッチ上のパフォーマンスで招集に応えられるか、である。
注目の3バック…初招集・鈴木淳之介の特長とは
これまでと同じ3-4-2-1のシステムが採用される前提で、注目されるのは3バックだ。谷口彰悟、板倉滉、伊藤洋輝の3人が招集外となり、最終予選に多く出場してきたのは町田浩樹のみとなる。オーストラリア戦とインドネシア戦で異なるユニットを組むことは可能だが、森保監督がどのような起用法を選ぶのかは興味深い。
DF登録では、鈴木淳之介が初招集された。湘南ベルマーレ所属の21歳で、180センチのサイズを持つボランチとしてプロ入りしたが、在籍3年目の昨シーズン途中から3バックの左サイドを任されると、その存在が一気にクローズアップされていく。今シーズンもスタメンを確保し、初の代表入りを射止めた。
鈴木の最大の強みは、ビルドアップ能力にある。相手がハイプレスをかけてきても怖がらずにボールを受け、自ら前進していくことも、パスを出すこともできる。パスを出したあとも攻撃に関わり、ラストパスを出すことやフィニッシュまで持っていくこともできる。