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「お前、あの騒動があったのによく来たな」“今のプロレス批判”で炎上した前田日明に、ウナギ・サヤカがモノ申した真意「ぶん殴られようが…」

posted2025/05/27 17:00

 
「お前、あの騒動があったのによく来たな」“今のプロレス批判”で炎上した前田日明に、ウナギ・サヤカがモノ申した真意「ぶん殴られようが…」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

4月26日の自主興行(両国国技館)にて、前田日明と対峙したダーク・ウナギ

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 東京ドームへの道のりは険しかった。足がかりとなる場所に立ってみて、あらためて目標が遠のいた気がした。

 フリーの女子プロレスラーであるウナギ・サヤカは昨年から後楽園ホールで自主興行を重ね、4月26日には両国国技館大会を開催した。しかも両国さえゴールではなかった。狙うは史上初、東京ドームでの自主興行だ。

 だが観客数という結果は厳しいものだった。1870人。昨年末のスターダム両国大会と同レベルの4000人を目指していたが、はるかに及ばない。2月の後楽園では引退を控えた里村明衣子とのワンマッチが1603人札止めとなったが、両国で求められるものはまた違ったということか。個人で両国大会を開催したこと自体が快挙なのだが、それでは満足できなかった。大会を終えたウナギはこう語っている。

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「ドームは遠くなりましたね。今日の集客を含めて。考えられるカードだったり、これが今の頂点なんですよ。もっと凄いもの、みんながワクワクするものを見せなきゃいけない。(ドームが)遠くても近くてもやるだけ。プロレス村もこのままじゃダメ。自分自身もやることがたくさんある。プロレス自体がみんなの手の届きやすいところに行かないと」

ウナギの大会でしか見られない顔合わせ

 両国大会のカードは、ウナギが2022年秋にスターダムを離れ、フリーになってから体験してきたことをストレートに表現したものだった。ZERO1のリーグ戦「火祭り」に参戦するなど男女問わず試合をしてきたから、両国も鈴木みのるをはじめ男子選手が多数出場。

 セミファイナルではマット界随一の才人スーパー・ササダンゴ・マシンと“デスマッチのカリスマ”葛西純の一騎打ちにアジャコングが絡むという異色すぎる顔合わせが実現している。足の痛みに耐えながら闘う「健康サンダルマッチ」ではMMAファイター兼プロレスラーの青木真也が登場し、スターダム・安納サオリの足関節と足ツボを攻め込んだ。

 他にもレジェンドがいて令和デビュー世代のユニットが登場し、マッチメイクの幅広さという点ではどの団体にも負けないものだった。ウナギは自身も複数の試合に出つつ、今のプロレス界の豊穣さをリングに描き出したと言っていい。メインにはアメリカのWWF(現WWE)で活躍した白使(新崎人生)が登場。彩羽匠と組んだウナギは見事に玉砕したが、この大会でしか見られない顔合わせなのは間違いなかった。

【次ページ】 「超凄いX」として登場した前田日明

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