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「本当にデビュー戦?」16歳“二世レスラー”心希が流血激闘「とんでもない新人」対戦相手も絶賛…母・大向美智子は「もう二世って呼ばんでくれ」

posted2025/05/30 11:06

 
「本当にデビュー戦?」16歳“二世レスラー”心希が流血激闘「とんでもない新人」対戦相手も絶賛…母・大向美智子は「もう二世って呼ばんでくれ」<Number Web> photograph by Essei Hara

大向美智子の長女・心希。16歳の高校2年生はマリーゴールドのリングで5月24日、鮮烈なデビューを果たした

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 5月24日、国立代々木競技場で行われたマリーゴールドの1周年記念大会で、大向美智子の長女で高校2年生(16歳)の心希(しんの)がデビューした。164センチ、50キロと体の線は細いが、ユナイテッド・ナショナル(UN)王者の桜井麻衣を相手に奮闘した。

母・大向美智子との猛特訓「もう教えることない」

 心希は現在、山口県の高校に通っているが、長期の休みには東京に出てきて、2週間近く滞在していることもあった。地元では母親とのマンツーマンでプロレスを学んできた。

 華やかな白いリングコスチュームでステージに現れた心希は花道を走った。

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 リングが待ち遠しいかのようだった。UN王者の桜井がリングで待っている。心希はどうしても桜井に相手をしてもらいたかった。桜井の風貌が母親に似ていることがそうさせたのかもしれない。

「ママや麻衣さんのような選手になりたい」

 母親には受け身を徹底して教え込まれたという。そして母親が「もう教えることはない」というほど練習したことを晴れのリングでどれだけ示すことができるか、それがデビュー戦の課題だった。

 心希がプロレスラーになることを決意したのは昨年の3月で、まだ高校生になる前だった。ロッシー小川の訪問を受けた心希はその場でプロレスラーになることを決意した。高校生になった心希はその7月に、両国国技館のリングでマリーゴールドへの入団をファンに報告した。

「これがデビュー戦?」顔を血に染めながら奮闘

 心希はマリーゴールドがその未来を託す新人の一人だ。

 初めてのリングの緊張感。

 桜井と向き合う心希。

 母親は「技は後からでも覚えられるから」と多くの技を教えることはしなかった。だが、心希は母が得意とした裏投げバックドロップを放ち、歓声を誘った。

 鼻血が噴き出て、デビュー戦はまさかの流血戦になってしまったが、心希は気迫で桜井に向かっていった。抱え上げられてボディスラムでキャンバスに叩きつけられても、心希は起き上がった。幼いころから毛利道場で習っていたという空手の蹴りはバランスがいい。強烈なキックが桜井の脇腹や胸板をとらえた。

【次ページ】 「二世って呼ばんでくれ。家ではママだけどね」

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