- #1
- #2
スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
青学大でも、駒大でもなく…なぜいま高校生エースは“早稲田”を選ぶ？ 花田勝彦監督「心がけるのは“教えすぎない”こと」「表現力は求められますね」
posted2025/05/29 17:00
高校時代から全国大会で実績を持つ鈴木琉胤（八千代松蔭）や佐々木哲（佐久長聖）ら有力ランナーが続々と早大へ。その進学理由はどこにあるのか
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
(L)Yuki Suenaga、(R)AFLO
大学駅伝界の名門・早稲田大が今季ここまで好調を見せている。その原動力のひとつが、過去最高クラスの実績を持つ超ルーキーたちの加入だ。高校時代から一線級で活躍し、進路の選択肢も豊富だったはずの彼らが「臙脂のW」を選んだのはなぜなのか。監督の話からその理由が少しずつ見えてきた。《NumberWebインタビュー全2回の1回目／つづきを読む》
今年は、早稲田が元気だ！
お正月の箱根駅伝では、4位。3位との差はわずか10秒だった。
新年度に入って、5月に行われた関東インカレ1部では、5000mで鈴木琉胤（1年・八千代松陰）、ハーフマラソンでは工藤慎作（3年・八千代松陰）が2位、10000mでは山口智規（4年・学法石川）が3位となって、それぞれ日本人トップとなった。
ADVERTISEMENT
「いまの早稲田では、私が現役時代にやってみたいなと考えていた練習が出来ています」
そう話すのは花田勝彦監督だ。
監督も「実業団より質は高い」
早稲田では箱根駅伝総合優勝を経験。卒業後、エスビー食品に入ってアトランタ、シドニーの両オリンピックに出場した。引退後は指導者に転じ、上武大学で12年、GMOインターネットグループで6年指導したが、その経験を踏まえて現時点での早稲田のレベルをこう話す。
「トラックに限っていえば、GMO時代の練習内容よりも質は高いです。もっとも、GMOはマラソン練習に特化していたので単純に比較はできませんが、山口智規、工藤、山口竣平（2年・佐久長聖）、鈴木、佐々木哲（1年・佐久長聖）といったメンバーは強度の高い練習がこなせます」
取材当日は、「山の名探偵」こと箱根駅伝の5区で区間2位の快走を見せた工藤が400m×10本のメニューに取り組んでいた。インターバルをジョグでつなぎつつ、1周を64秒前後で走破していく。ラスト1周は62秒まで上げながらも余裕を見せていた。
