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「他の誰かが責任を取れる世界じゃない」中日・根尾昂が明かす“雑音”との付き合い方…“内外野→先発→リリーフ”の転向続きも「不安はないですよ」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2025/05/29 11:01

内外野→先発→リリーフとその能力の高さから様々なポジションを試されている根尾昂。不安定な立場ではあるが「不安はない」と言い切る
6年間のプロ生活の中で監督は3人交代し、その都度“金の卵”である根尾をどう育てていくかという方針もコロコロと変わってきた。適性は野手なのか、投手なのか、そこは周囲で未だに議論があるほどだ。スマホを開けば目に飛び込んでくるかもしれない自分にまつわる“雑音”について、根尾はどう感じているのか。
「雑音は、ないので……。色々な人に色々なことを言われるでしょ? ってよく聞かれるんですけど、僕は全然気にならない。というか、分からないです」
そもそも耳に入れていない?
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「入っていないです。だから雑音はない」
「納得していないことは気にしない」
期待が高い分、直接アドバイスを受けることが多いのは事実だろう。ファンや評論家のような外野からだけでなく、監督が交代するたびに変わってきたコーチ陣や先輩投手たちもその豊かな才能の行方を気にかけている。助言を受けるたびに振り回され、潰されてしまう選手が多いのも事実だが、根尾は投げかけられるたくさんの言葉をどのように受け止めているのか。
「気にしていない、ですかね。一回チャレンジしてみて、これはいいなと感じたり、こういう状態の時にはこれ、と自分の引き出しにできるようなものはあります。色々と見て勉強することももちろんある。でも何でもかんでも手を出していったら、自分の大事にしてきたものが崩れてしまうと思う。だから自分が納得していないことは気にしない。結局、他の誰かが責任を取れる世界じゃないですからね」
常に礼儀正しく、実直な性格だ。頑なにはね除けて耳を貸さないというわけではない。ただ、さまざまな声を柳に風とばかり受け流すこともあり、その分「根尾は頑固だ」という周囲の評価もある。
「そういう感じに思われていると思います。多分、周りの人は『言っても聞かないだろうな』と思っているかと。実際にそうなのかは、周りの人が決めてくれたらいい。僕はそんな感じです。毎日、とにかく良くなっていたい。そのために人と同じことをやっているだけではダメなので、自分のやるべきことをちゃんとやる。そこは全く変わらないです」