「寂しさより、厳しいな…という」25歳になった中日・根尾昂の現在地　大阪桐蔭“最強世代”の同期は戦力外も…周囲の言葉は「気にしていないです」 

「“最初”が決まればスムーズにいく、ということだと思う。投げ切ったところから逆算していくと、やはり、上手く立てていればロスなく力が伝わっていく。そこは大事かなと思います。シーズン中の今もそれは大事にしているし、試行錯誤しながら取り組んでいます」

大阪桐蔭「最強世代」として思うことは…

　涌井との合同自主トレには、大阪桐蔭高時代の同級生である巨人の左腕・横川凱も参加しており、同部屋で過ごし旧交を温めた。高校2年の春から4季連続で甲子園出場を果たし、3度の全国制覇を経験した「最強世代」の仲間たち。その現在の姿は根尾にとってどう映っているのか。

「投げていたら試合は見ますね。（ロッテの藤原）恭大も試合に出ていたら見ている。負けられないな、という思いはありますよ。だからたまにチェックはします。でも、どちらかと言えば自分のことに精一杯というか……もうずっとそんな感じですね」

ADVERTISEMENT

　昨オフには、「最強世代」の背番号1を背負ったエースで、ドラフト同期の柿木蓮が日本ハムから戦力外通告を受けて現役引退を決めた。6年間のプロ生活で一軍登板は4試合のみ。同時にドラフト指名を受けた4人のうち、現役選手は3人になった。

「野球を辞めていく仲間も出てくる年代なんだな、という実感はあります。寂しさですか？ 寂しさより、厳しいな……という。この世界ってやっぱり厳しいな、という思いが強いですかね」

　少年時代から“神童”と言われ、高校時代は全国から熱視線を浴びた。投打ともに才能溢れ、「東大に合格できる」と言われたほどの秀才。さらに中日入団後の流転の経歴も相まって、その一挙手一投足にはいつも注目が集まる。チームの首脳陣や先輩のみならず、評論家やOB、野球関係者やファンまでもがそれぞれの「根尾昂論」を語る。投げかけられる多くの言葉を根尾自身はどう受け止めているのだろうか。

「あまり気にしていないです」

　キッパリと口にして、背筋を伸ばした。並の選手なら潰れてしまうかもしれない重圧を、根尾はこれまでどう受け止めてきたのか。「気にしていない」。その言葉の真意とは――。

＜次回へつづく＞

#2に続く

「他の誰かが責任を取れる世界じゃない」中日・根尾昂が明かす“雑音”との付き合い方…“内外野→先発→リリーフ”の転向続きも「不安はないですよ」

#2

「他の誰かが責任を取れる世界じゃない」中日・根尾昂が明かす“雑音”との付き合い方…“内外野→先発→リリーフ”の転向続きも「不安はないですよ」

#1

「寂しさより、厳しいな…という」25歳になった中日・根尾昂の現在地　大阪桐蔭“最強世代”の同期は戦力外も…周囲の言葉は「気にしていないです」