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「じつはあの後、マサさんに電話しました」男子バレー西田有志が“SVリーグへの問題提起”投稿の真意を語る「なぜ、あのタイミングだったのか」
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田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2025/05/16 11:05

選手会設立の発言が話題になった西田有志(25歳)。世界最高峰のリーグになるために、SVリーグに意見交換の場を求めた
西田の投稿は222万回以上閲覧されており、「いいね」の数は2.7万にもなった(5月12日現在)。この投稿を契機に各々の考えを発信する選手が現れたが、一方でファイナルを控えたタイミングで投稿すべきだったのかなど、否定的な声も少なくなかった。
なぜ、あのタイミングで発信をしたのか――今シーズンすべての試合が終わってから西田を直撃すると、その回答は至って冷静だった。
「僕が発信することでいろんな意見や批判もあるだろうな、とは思いました。でもそれ以上に試合を見ていて、もどかしくなったんです。こんなにいい試合なのに、判定が大きな意味を持って試合に決着がついてしまう。あのジャッジが間違っている、間違っていない、ということではなくもっと説明がほしいな、説明があってもいいんじゃないか、と思ったんです。めっちゃ面白い試合だったからこそ、うやむやにすべきじゃなかったし、選手としては説明の場がほしい。そう考えた時に、僕個人としてはずっと、選手会が必要だと思っていたので、ああいう形で『選手会が必要だ』と自分の意見を発信しました」
「一つの判定で人生が変わるから」
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審判のジャッジに関しては、シーズン中から西田が直接抗議するシーンを何度も目にしていた。審判部を管轄する日本バレーボール協会にも及ぶ話になるが、それでもあえて言いたかった、と西田は続ける。
「一つのジャッジに関して、僕らは違うと思えば主張する。プロ選手なので、その一つの判定で人生が変わるからです。特に外国籍選手は僕らの比じゃない。なぜなら彼らは異国の地に一人で来て、生きるためにプロとして戦っている。ジャッジに対しても大げさじゃなく、命がけです。でも、審判の方々に言わせれば、ボランティア同然の手当しかないのにそこまでできないと思われるじゃないですか。だったらどうするか。審判のレベルを上げてほしいと主張する選手側から、審判の待遇を変えるとか、ボランティアではなく仕事として成り立つ仕組みをつくるとか、そういうことはできないんですか?と意見を投げかけたいし、お互いにとっていい方法を見つけていきたい。一方的にぶつけるのではなく、互いがよくなるための仕組みを考える。選手会は、その一歩だと思うんです」