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「じつはあの後、マサさんに電話しました」男子バレー西田有志が“SVリーグへの問題提起”投稿の真意を語る「なぜ、あのタイミングだったのか」
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田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2025/05/16 11:05

選手会設立の発言が話題になった西田有志(25歳)。世界最高峰のリーグになるために、SVリーグに意見交換の場を求めた
会社の福利厚生の一環としてバレーボール部があり、そこに所属する社員選手が大半を占めた頃は、チームのメンバーは選手である一方、会社員でもあった。そのため所属会社や組合の規約もあり、選手の一存で独立した選手会をつくることはできなかった。だが、プロ化に向けて選手の雇用形態の多様化だけでなく、リーグの事業化が進み、外国籍選手に限らず日本人も西田のようにプロ契約を結ぶ選手も増えた今は実現へのハードルも低い。
10代の頃からプロ選手として活動してきた西田は「昔だったら血気盛んに“俺が先頭立ってやったる”と思ったかもしれないけれど、今はさすがに大人になったので」と笑みを浮かべる。あくまで一人の選手として自身の影響力を加味したうえで、未来につなげるための場をつくりたいと言葉を続ける。
「今はSVリーグ(理事会)で決定したことが下りてくるだけで、選手からすれば一方通行なんです。試合数もそうだし、SVライセンスを取得した(北海道)イエロースターズが昇格できない理由が“偶数と奇数の違い”と言われてもわからない。その“なぜ”を選手会として意見をまとめて話し合うことで、一緒に解消して、解決して、よりいいバレー界をつくっていきたい。僕の思いはそこだけなんです」
「ケンカするんじゃなくて、一緒にいいリーグに」
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4月27日のXで投稿の直後、西田は一本の電話をかけた。
「選手だけでわーわー言っても始まらないので、まずはSVリーグへちゃんと話をしに行きたい。そう考えて、マサ(柳田将洋)さんに電話しました。『動くのは、僕らちゃいますか?』って。何が必要か、どういう方向に進んでいくべきか。マサさんも同じ思いを持っている人なので一緒にできないか、と。大河(正明チェアマン)さんにもアジアクラブチャンピオンズリーグが終わってからお話しをさせてほしいと伝えたら『ぜひ』と快諾していただいたので、前向きに動き始めています。何度も言いますけど、ケンカするんじゃなくて、一緒にいいバレー界、SVリーグにしていきたいんです」