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「善戦カルデナスの戦い方がハマった理由」は井上尚弥側にあった…元3階級王者が指摘する井上“今後の課題”「アフマダリエフとどう戦うか」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byHiroaki Finito Yamaguchi

posted2025/05/11 11:10

「善戦カルデナスの戦い方がハマった理由」は井上尚弥側にあった…元3階級王者が指摘する井上“今後の課題”「アフマダリエフとどう戦うか」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

井上の「とにかく倒そう」というボクシングが今回のカルデナスにとっては良かった、と長谷川穂積さんは見た

「井上選手は確かにパンチをもらいました。私は彼の力が衰えたとは思いませんが、ライバルたちに勇気を与えたのは事実でしょう。イノウエも人間なんだと。井上選手は9月にムロジョン・アフマダリエフと対戦しますが、もしラスベガスでまったくスキを見せずに圧勝していたら、次の試合で『アフマダリエフが勝つかもしれない』とはだれも思わなかったでしょう。今回の試合内容で勝負論ができるようになったと思います」

1試合で評価が変わるのがボクシング

「ただし」と長谷川さんは自身の経験を例に出した。

「1試合で評価がグッと上がったり下がったりするのがボクシング。私は現役時代、WBCバンタム級王座を10度防衛して、無敵だとか、最強だとか、さんざん持ち上げられたんです。それで11度目の防衛戦でフェルナンド・モンティエルに負けたら次の日の新聞で『引退か』ですよ。たった4カ月で。どないなってんねんと思いましたよ(笑)。でも、ボクシングってそういうスポーツですから。井上選手もアフマダリエフにいい勝ち方をしたら、また一気に見方が変わると思います」

井上の今後の課題は?

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 長谷川さんは井上の今後について課題があるとすればコンディショニングだと考えている。

「やはり年間4試合は大変なことだと思います。たとえ試合でダメージをそれほど受けなくても、練習でスパーリングをたくさんしますよね。スパーリングってけっこうダメージを受けるんです。年間4試合すれば当然スパーは増えますよね。特に9月の次が12月なら本当に期間がありませんから、そこは十分に配慮する必要があると思います。ダメージをしっかり抜くというのは大切ですから」

【次ページ】 23KOでもうおなか一杯!

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