大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
「それが僕らの仕事でもある」“大谷翔平についての質問”に元チームメイトが明かした本音…大谷のチームが変わっても“グッド・ガイ”に囲まれる日常
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byGetty Images
posted2025/05/06 11:11
エンゼルス時代、ミッキー・モニアクと笑顔で写真に写る大谷翔平
もちろん、近寄りがたいオーラが出ている選手もいたが、取材する側としても、人柄のいい選手たちに恵まれた。4月25日、微笑ましい再会があった。今季パイレーツに在籍するアンドリュー・ヒーニー投手(33)は練習を終え、いったんクラブハウスに引き揚げた。その後、再びダグアウトからフィールドに出てくると、キャッチボールをしていた大谷を発見。タイミングを見計らい、笑顔で歩み寄った。エンゼルス時代の1年目から同僚で、今も他球団で活躍している選手は数少ない。再会した2人の表情は、いつも以上にうれしそうだった。
「大谷に関する質問」にヒーニーが思うこと
エンゼルス時代、日本メディアの1人として、何度もヒーニーにお世話になった。どことなく、クールなナイスガイの雰囲気に興味をそそられた。大谷との交流に関する話題だけでなく、犬を愛するヒーニーが主催するドッグ・レースを取材しに行ったこともあった。21年シーズン途中から他球団へ移籍したが、大谷と対戦する度に試合前の取材では立ち止まり、握手をして、話をしてくれる。時に大谷の話題に偏ることがあっても、「それが僕らの仕事でもあるから。それに、特に彼について何も話すことがない時だってあるしね」と笑っていた。
思い出を振り返る中で、ヒーニーはエンゼルスについても語った。「マーリンズでデビューしたけど、落ち着いて、メジャーリーガーとしての自分を築けたのはアナハイム(エンゼルスの本拠地)だった。周りの仲間たちが、自分が安心してプレーできる環境を作ってくれた。人としても選手としても、自分を確立するのを助けてくれた」。在籍時にプレーオフに進出は出来なかったが「いい人たちだった」と感謝した。それは、ドジャースの入団会見で大谷がエンゼルスに向けて感謝を口にした時の言葉と、どことなく似ていた。

