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「日本代表は“1年休む”」男子バレー西田有志25歳が明かす“休養宣言”の真意「“もう必要ない”と言われるリスクがある。それでも…」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2025/04/23 11:01

2025年度の日本代表登録メンバーに選出された西田有志(25歳/大阪ブルテオン)。代表活動についてはしばらくの休養を宣言しており、今後の動向が注目される
「よう戻ってきたな。さすがやわ。やっぱすげえよ!」
あの時かけたのはそんな言葉でしたね。結果がどうとかじゃなく、ここまでよう戻ってきたなって。一番というか、ほとんどのストレスを祐希さんが抱えていただろうから、しんどかったと思う。僕と山内(晶大)さんが副キャプテンをやっていたけど、どれだけそのストレスを緩和できていたかはわからない。ずっと、一番重圧を感じていたのは祐希さんだった。
試合後、みんな、なかなかコートを離れられなかった。あのチームが終わってしまうことが悲しくて、名残惜しくて。嫌いだったら、あんなふうにならないですよね。本当にすごいチームでしたよ、あのチームは。
「休養宣言」の真意
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今後の日本代表については、1年休むということは決めています。
とはいえ、ゆっくり休むというわけではなく、トレーニングだったり勉強だったり、すでにオフシーズンのスケジュールを組んでいて、常に動き続けるつもりです。フィジカルもメンタルもプレーも、自己投資する時間を作らないと、この先がないなと思ったので。
このまま以前と同じようにやっているだけでは、成長がないというか、考えが新しくならないから、代表に行ってもたぶん同じことを繰り返すんじゃないかと。だから考え方や自分の能力を、新しくしたり、今あるところからどんどん派生させていきたい。
もちろん体の負担が積み重なっているからというのもありますが、「自分を変えたい」というのが一番にあります。これまで自分が知らなかった分野に足を踏み入れていこうと。
例えば、ピラティスとスポーツって相性がいいんじゃないかとか、将棋をやっている人はこのシチュエーションでどう考えるのかな? とか。いろいろな動きや考え方を持っておけば、選手として面白いんじゃないかと思って、今いろんなアイデアを書き出しています。もちろん主体はバレーボールですけど。今ジャンプトレーナーにもついているので、必要な分野を常に向上させて、息抜きするところは息抜きして、というイメージです。楽しみですね。お金はかかるんですけど、その分の楽しさと成長があると思うので。
もちろん次のロサンゼルス五輪のため、というのがベースにあります。
ただ、リスクがあるのもわかっています。「代表を1年休む」と発言することに対しても、「代表でやれることを当たり前だと思っている」と捉えられてしまうこともある。全然そんなことは思っていないんですけど。
それに、1年休んだことで、「もう必要ない」と言われる可能性もあります。でもそう言われたら、見返すだけだし、後悔させるだけ。常に何があっても向上する方向にしか、僕は向いていないですね。
〈はじめから読む→第1回:高橋藍編へ〉

