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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「クボは天才的。ゴラッソ!」ブラジルTV局が興奮…久保建英無双「8.0点だ」日本通ブラジル人記者のバーレーン戦ホンネ採点「ただ苦戦してたよね」
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/03/24 06:02

ブラジルメディアも興奮した1ゴール1アシスト。久保建英はバーレーン戦で才能の一端を見せた
――試合序盤、日本はパスミスが多く不安定だった。前半6分、バーレーンのCFアブドゥルジャバルにボレーシュートを打たれた。8分には遠藤からのパスを久保が受けたが、シュートをブロックされてしまう。9分には日本が右CKから遠藤が押し込んだが、その前にCF上田綺世のハンドがあってゴールは認められなかった。
「久保のシュートは、ほんの少しタイミングが遅かったのかな。上田のハンドは、仕方がない。ただ、その後、バーレーンにペースを握られたのはまずかった」
――12分、左CB伊藤洋輝のGKへのバックパスが短くて肝を冷やした。16分にも、右サイドをCB瀬古歩夢が抜かれてピンチを招いた。
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「2人は守備でもフィードでもミスが多かった。これまでレギュラーを担ってきた町田浩樹、谷口彰悟と比べると見劣りした。バーレーンがもっと力があるチームだったら、この時間帯で失点していただろうね」
クボを下げずカマダ投入…ゴラッソの伏線に
――後半開始から、森保監督は守田を下げて田中を起用した。
「前半、守田は守備は堅実だったが攻撃面での貢献が少なかった。やはり、体調が十分ではなかったのかな。監督は、田中に攻守のバランスを取ることに加えてより積極的な攻撃参加を求めたのだと思う」
――前半途中でオーストラリアがインドネシアに5-1と大勝したことが判明し、日本は引き分けでもW杯出場権を獲得できる状況になった。
「そのことを選手たちが知っていたかどうかはわからない。でも、引き分けで満足することなく、あくまでも勝利を目指してプレーしていたね」
――後半18分、堂安律の代わりに伊東純也が、南野拓実の代わりに鎌田が投入された。
「堂安は守備に奔走する時間が長く、彼らしい思い切ったプレーが少なかった。抜群のスピードを誇る伊東を入れたのは妥当だろう。南野は、いつも平均点以上のプレーをする選手だが、この日はやや不本意な出来だった。森保監督はこれまで右MFのポジションに久保と鎌田を併用してきたが、この試合では鎌田を入れても久保を下げなかった。この采配が、その後の久保のスーパープレーを生む伏線となった」
「天才的」「クボの才能が光ったね」
――後半21分、伊藤から中盤へパスが入り、収めた上田が久保へ縦パス。猛然とスペースへ走り込む鎌田へ久保がワンタッチでパスを送り、鎌田が決めた。ブラジルのテレビのアナウンサーは、久保のパスを〈天才的〉と激賞していました。
「それまでフィードのミスが多かった伊藤が、このときはしっかりパスを通した。久保が見事な状況判断と技術を発揮し、GKと1対1となった鎌田が落ち着いて決めた。素晴らしいゴールだった」
――ビハインドを背負ったバーレーンが、ここから攻勢に出た。