2024年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「M-1決勝に“恐怖の1分間”があった」4位エバースが語る、名言「さすがに末締めだろ」はこうして生まれた「社会人は“末締め”で笑うんです」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byTadashi Hosoda
posted2025/03/23 11:06
結成8年、初のM-1決勝で4位になったエバース。佐々木隆史（ボケ、ネタ作り担当、左）と町田和樹（ツッコミ担当）
佐々木 というより正当派なぶん、外しにくい。どんなお客さんであっても最低限、ウケるイメージがあります。
――そもそも、どういうきっかけでバッテリィズとツーマンライブをするようになったのですか。
佐々木 バッテリィズさんに声をかけてもらったんです。毎月やるってなったら、ライバル関係になるぐらい実力のある組の方がいいじゃないですか。なので、僕らの中で大阪でやるとしたらバッテリィズさんか、ぎょうぶだと思っていたんです。なので、バッテリィズさんから誘っていただいて、本当にありがたかったです。
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――そういう関係のバッテリィズが結果的に大爆発して、令和ロマンを抜いてトップに立ちました。やられたという意識もあったでしょうが、半分は嬉しいものなのですか。
町田 いや、やり過ぎ、やり過ぎ。
佐々木 喜びより、うわぁ……という。
町田 喜びとかではなかったな。さすがに。
「トム・ブラウンさんの後もきついな…」
――M-1ではひとたび会場が盛り上がると、そのあとも続けざまに高得点が続くことがあります。ただ、8番手はママタルトで、その後、ようやくエバースでした。
佐々木 僕らとしてはバッテリィズさんの直後でなくてよかったです。やってることはだいぶ違うんですけど、同じしゃべくり漫才ということで、比べられて点数が低くなったりしたら嫌だなと思っていたので。あと、僕らの『桜の木の下』っていうネタは、最初の笑いが起きるまでに1分くらいかかるんです。だから、バッテリィズさんのときは最初からどかどか笑いが起きてたのに大丈夫？ っていう空気になる可能性もあるじゃないですか。かといって（もう1組残っていた）トム・ブラウンさんのあとに普通のしゃべりでやるのもきついと思っていたので。
町田 結果的にはいい出順だった。バッテリィズの7番手以外のところでいうと。
佐々木 2番目にいい出順だったかもしれないです。
――ラスト出番も大変ですけど、ラストは唯一、笑神籤が引かれる前に自分たちだってわかっているというメリットがあるじゃないですか。自分たちしか残っていないので。「誰だろう……」とドキドキしながら待っている中でのラストは9番目なんですよね。そういう意味での疲労はなかったですか。
佐々木 それも結果的にはよかったです。待ち疲れしているうちに全国放送だっていう緊張感も薄れていって、後はやるだけだという感じになったので。
町田 トップの令和ロマンが出てから2時間くらい経ってましたから。
名言「さすがに末締めだろ」誕生秘話
――1組目が7時15分に出て行って、9番目のエバースの出番が21時5分。確かに2時間弱ですね。
