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甲子園の風BACK NUMBER
センバツ“ナゾの初出場校”沖縄・エナジックスポーツ高校ってナンだ?「メンバーは全員県内出身」「資格取得にも力を…」その超意外な校風
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/03/21 06:01

センバツのベンチ入りメンバーは全員地元・沖縄県出身だというエナジックスポーツ高等学院。その意外な校風とは?
昨年は初のプロ野球選手も誕生
昨秋のドラフト会議では野球部1期生で前チームの正捕手の龍山暖が西武ライオンズから6位指名を受けた。龍山は神谷監督の地元・読谷ボーイズ出身。
「龍山は本当によくウチに来てくれましたし、彼がドラフト指名されたことは勇気をもらいました」
その流れに乗ったかのように同時期に開催されていた昨秋の九州大会では準優勝を果たし、センバツ出場を確実にした。新鋭校に新たな風が吹いているが、少子化による野球人口減少は、県北部にも大きな影響を及ぼしている。野球少年が激減する状況に危惧する神谷監督は、昨秋の快進撃だけで沖縄の高校野球は簡単には変わらないと思っている。
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「1期生で県北部の子はウチには1人しかいなかったんですよ。沖縄県の高校野球界は沖縄尚学と興南の2強がいて、その他、力のある公立高校が点在している状況です。こういう多様化の時代ですから、親の意向もある中で子供らが学校を選ぶ自由もある。今は野球に限らず様々なスポーツもありますからね」
さらに近年、有望な選手の獲得競争が一層激化しており、本土の強豪校の監督が早い段階から沖縄県内の能力の高い選手に目をつけ、早々に進路を決めてしまっていることも多い。
「今は情報がすぐに伝わる時代で、良い選手のことを聞きつけた本土の監督さんはすぐに沖縄まで選手を見に来られます。沖縄は本土に比べてのんびりしているせいか、そんなにすぐには動かない。目立つ子は本土に持っていかれてしまうことが多いです。
逆に沖縄の高校の監督はわざわざ本土まで生徒募集しに行きません。それでも本土から沖縄に来ている子は毎年色んな高校に何人かいますが、そういう子は自分たちで探して、自分たちの意思で来てくれています。本土から取ってはいけないという決まりは沖縄にはないですが、沖縄は一般的に県内の生徒がほとんどです」