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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「潤人、いま彼女はいるの?」中谷潤人17歳の“まるで大谷翔平”な答え…井上尚弥戦を同門・伊藤雅雪が展望「その前にルイス・ネリと戦うのも面白い」
text by

杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byNaoki Kitagawa
posted2025/03/07 17:03
10代の頃からボクシング一筋の中谷潤人。同門の元世界王者・伊藤雅雪氏は「大谷翔平のようなメンタリティ」と形容した
井上尚弥戦への道筋「ルイス・ネリと戦うのも面白い」
ドリームマッチとして期待される井上尚弥戦へのストーリーを描くとすれば、どのような道筋が盛り上がるのか。すでに多くの興行を手掛け、海外でも顔が利くプロモーターを目指す34歳はニヤリと笑う。
「西田戦のあと、スーパーバンタム級でルイス・ネリと戦うのは面白いんじゃないですか。ちょっとハードですけど、注目はされますよね。個人的には階級を上げて1回はさんでから、井上戦へ向かうほうがいいと思っています。2kgとはいえ、すぐにフィットするかどうか。僕もスーパーフェザーからライトに上げたときに差を感じましたから。いまのまま戦えば、7-3、6-4で井上が有利だと思いますけど、見方を変えれば、そこまで迫ってきている。あと1年あれば、5-5くらいになるかもしれません。何かが起きる可能性は出てくるのかなって」
ただ、中谷陣営の思惑は少し異なるようだ。伊藤は師でもある強気なトレーナーの本音を聞いている。
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「ルディはスーパーバンタム級で調整試合をはさむ必要はないと考えているようですね。尚弥が年齢を重ねていけば、潤人が勝ったときにエクスキューズがついてしまうと。『最も旬のときに戦っていないだろ』と言われるのを嫌がっているんです。だからこそ、最も良い状態の尚弥と戦い、潤人の完全な勝利という形がほしい、と。ルディは自信を持っているし、最終目標は尚弥ではなく、その先を見ていますから」
伊藤は同じルディ門下生として中谷に期待を寄せているが、井上尚弥の壁が高いことも十分に理解している。
「潤人はフレームが大きいし、スーパーバンタム級だけではなく、フェザー級、スーパーフェザー級までいける可能性はあります。その前に尚弥を越えるのはかなりしんどいですが、逆に潤人にとっては良いこと。もしここで勝てば、唯一無二の存在になれますから。パウンド・フォー・パウンドの1位もあるのかなと」
伊藤はドリームマッチの早い実現を楽しみに待ちながら、いつの日か井上・中谷戦のようなビッグカードを手掛けることも夢見ている。時間に追われる新進気鋭のプロモーターは取材を終えると、足早に次の仕事へ向かった。
<前編とあわせてお読みください>

