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「コガ、失敗がないのはダメ!」なでしこジャパン“じつはW杯優勝時も未達成”女王アメリカ撃破ウラ側…デンマーク人新監督で何が変わった?
posted2025/03/01 06:00

シービリーブスカップで久々の公式戦優勝を飾った、なでしこジャパン。殊勲の古賀塔子らが語ったニルス新体制の要点とは
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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Brad Smith/ISI Photos/USSF,Getty Images
「勝てない相手では」大金星は藤野の言葉通りに
「勝てない相手じゃないと思うので、勝利をもぎ取れるのかなと思います」
アメリカ戦2日前、オンライン会見に臨んだMF藤野あおば(マンチェスター・シティ)の言葉は、現実のものとなった。
ニルス・ニールセン新監督を迎えて初の公式戦となったシービリーブスカップ、なでしこジャパンは第1戦オーストラリア戦を4-0、続くコロンビア戦を4-1と連勝し、最終戦アメリカ戦を引き分け以上で同大会初優勝を果たせる状況となった。
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とはいえ、チームにはアウェーであろうとパリ五輪金メダルチームのアメリカ相手に勝ち切るというマインドセットができていたようだ。
キックオフから前に出ていく姿勢を見せると、開始からわずか93秒でMF長谷川唯(マンチェスター・シティ)のスルーパスに反応したMF籾木結花(レスター)が、寄せてきた相手GKとDFを幻惑するターンからのシュートで先制ゴールを奪う。
前半のうちに同点とされたものの、後半5分に長谷川が放った鋭い直接FKのシュートがこぼれたところを、DF古賀塔子(フェイエノールト)が詰めて勝ち越し。ラスト15分はアメリカの猛攻を堪える形となったが、キャプテンのDF熊谷紗希(ロンドン・シティ)が頭から出血しながらも包帯を巻いて身体の張ったディフェンスを見せるなど、最終ラインが破綻することなく2-1でタイムアップの笛を聞いた。
なでしこジャパンがアメリカ相手に勝利したのは、2012年アルガルベ杯以来、13年ぶりのこと(通算対戦成績は2勝8分31敗)。じつは澤穂希キャプテンの下で初のW杯優勝に輝いた2011年W杯決勝は――PK戦で最後に熊谷がゴール左上に決めて勝利をものにしたとはいえ――延長戦までの120分間を2-2で終えており、記録上は引き分けだった。だからこそ今回の勝利と、公式戦タイトル獲得は現チームに大きな価値と自信を与える大金星と言える。
ニルス監督「米国を破るのは初めてではないので」
「個人のところでは球際で弱かった部分はあったんですけど、チーム全体で守れた部分は良かったかなと思います。メチャクチャうれしかったですし、アメリカになかなか勝てなかったので、特別な思いがありました」
アメリカ戦で今大会初先発となったDF宝田沙織(レスター)が、試合後のオンライン会見で口にした言葉は、本音だろう。
スコアだけでなく、内容面にも目を見張るものがあった。