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「いつ世界戦をやってもいい。強いです」長谷川穂積が絶賛…那須川天心の“並外れた感覚”とは?「なんて反応がいいんだ…」「生で見た僕もあの採点通り」
posted2025/02/28 17:46

那須川天心は前WBOバンタム級王者のジェーソン・モロニーを判定3-0で撃破。長谷川穂積さんは「いつ世界戦をやってもいい」と太鼓判を押す
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Hiroaki Yamaguchi
キックボクシングから転向、ボクシングの世界王者を目指す那須川天心(帝拳)が2月24日、東京・有明アリーナで前WBOバンタム級王者のジェーソン・モロニー(オーストラリア)に判定勝ちを収めた。那須川の成長と今後の可能性を元世界3階級制覇王者の長谷川穂積さんに聞いた。(全3回の2回目/前編・後編へ)
長谷川穂積はスコアに異議なし「あの採点通り」
今回の「Prime Video Boxing 11」では、那須川のボクシング6戦目に最も注目を寄せたファンもいたに違いない。対戦相手に抜擢された前世界王者のモロニーは那須川が今まで対戦してきた相手とはレベルが違う。モロニーは敗れたとはいえ井上尚弥、武居由樹(ともに大橋)と対戦経験があり、那須川の現在地を量る上で格好の相手と言えた。
バンタム級リミットの1ポンド超、119ポンド契約10回戦で行われた試合は、那須川の3-0判定勝ち。スコアは97-93が2人、98-92が1人だった。長谷川さんはまず採点について説明した。
「天心選手は過去最高に良かったと思いました。採点を疑問に思う人もいるみたいですけど、たぶんテレビで見た感じと生で見た感じは違うので、それがけっこう大きいのかもしれないですね。生で見ている僕がちゃんと採点してあの採点通りでした。モロニーはやっぱりサウスポーが苦手だと感じましたね。左回りからの攻撃しかできないし、フットワークも単純でした」
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試合は初回、モロニーが右ストレートを当てて先制したものの、2回からは那須川がフットワークと上下の打ち分けで試合をコントロール。ところが6回、モロニーが再び右を決め、那須川があわやダウンというシーンが生まれた。ピンチを迎えた那須川はここから打ち合ってモロニーを止め、終盤は再びフットワークを駆使して判定勝ち。これが大まかな内容だった。