「何もかもが完璧」中谷潤人、衝撃のKO劇…元世界王者・飯田覚士が感服したパンチのチョイス「まるで決め打ちしたかのように」井上尚弥との対戦の行方は？ 

「現時点で中谷選手が優位に立っているのは間違いありません。ただ西田選手はロドリゲス選手からボディーストレートでダウンを奪ったように、左が強くうまい。上下をしっかり打ち分けられるし、右のジャブも伸びます。まだまだ改良の余地があるかなと思うのは右の使い方ですかね。ここをうまく使えないとすべてにおいてレベルの高い中谷選手を攻略するのはちょっと難しい。しかしながら西田選手はプロキャリア10戦で、まだまだ伸びしろがあります。戦いが決まればしっかりと自分を引き上げてくるでしょうし、面白い統一戦となるでしょうね」

井上尚弥とのドリームマッチの行方は？

　中谷が勝って統一戦をクリアすればベルトをまとめに掛かる可能性はあるが、来年に噂される4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥とのドリームマッチに向けて1階級上げることも考えられる

　気が早すぎるのは重々承知のうえだが、こんな勝ちっぷりを見せられてしまえば聞かずにはいられない。モンスターとビッグバンが拳を合わせれば、一体どのような戦いになるのか。飯田は「僕のほうこそ聞きたいですよ」と苦笑いを浮かべる。

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「今回の試合を観てあらためて思ったのは、中谷選手が変幻自在であること。構えも、戦いの引き出しも、距離だってそうですよね。タイトルを獲った（アレハンドロ・）サンティアゴ戦は腰を落としてかなり低い姿勢で戦ったり、前回のペッチ（・ソー・チットパッタナ）戦はサウスポー相手に後ろ重心で構えたり、今回は長身の相手にまた違う戦い方をしたわけです。言ってしまえば相手に応じてどんなふうにしても戦える。自分の型みたいなものを敢えて持たないんですよね。中谷選手も尚弥選手も頭の回転が速く、距離をつかむ、相手を読むのは長けていますから、クエジャル戦を見て何か言えるとしたらどんな戦いになるのか余計分からなくなったということじゃないですかね」

　また一歩、井上尚弥の領域に近づいたことは明らか。「余計分からなくなった」一方で、期待感が一段と高まってきたことで余計楽しみにもなってきた。

＜前編から続く＞

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「これは早い段階で決着する」元世界王者・飯田覚士が予感…“王者”中谷潤人と“挑戦者”クエジャルの決定的な差「パンチのねじ込み方がエグい」