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「箱根駅伝で復活の中央大に黄金ルーキー」「高校No.2&No.3を早稲田大が両獲り」高3有力長距離ランナーの進学先を大調査!<一覧リスト付>
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佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2025/02/27 11:03
5000mで高校3年生No.1の記録を持つ浜口大和。復活へ勢いを増す中央大でどんな成長を見せてくれるか
早稲田大には「渡辺康幸を超える逸材」が
【早稲田大】
高校3年生ナンバー2の鈴木琉胤とナンバー3の佐々木哲は、ともに早稲田大に進学する。
鈴木は、昨年の都大路1区の快走が記憶に新しい。5キロ過ぎで前に出ると、単独走で他選手をぶっちぎり、高校OBの佐藤一世の持つ1区日本人最高記録の28分48秒を5秒更新。28分43秒の区間賞をマークした。
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単独走でこの走りならば、集団走や引っ張ってもらった場合、5000mの現在の記録は13分39秒85だが、早々に30秒を切ってくるだろう。花田勝彦監督が「渡辺康幸を超える逸材」と絶賛しており、鈴木への期待値の高さがうかがえる。
鈴木自身も、見据える先は世界で「2010年度以来の箱根駅伝優勝を果たしたい。5000m12分台、10000m26分台、ロサンゼルス五輪を目指します」と語る。八千代松陰OBの“山の名探偵”こと工藤慎作の背中を追い、1年目からエンジン全開で陸上界を駆け抜けていくだろう。
佐久長聖のエースが新黄金時代を築くか
ナンバー3の佐々木は、都大路では3区2位で襷を受けるとトップを走る八千代松陰を抜いて区間賞を獲得、佐久長聖の大会2連覇に大きく貢献した。折り返し地点での「鶴谷ターン」(バックステップから小さく逆向きにターンする)が注目されたが、佐々木の魅力はダイナミックなストライド走行から生み出されるスピードと勝負強さだ。
昨年のU20日本選手権3000m障害では、大学生たちを置き去りにして8分39秒89で優勝、インターハイ3000m障害も勝った。3000m障害の自己ベストは8分39秒15で、高校歴代2位の記録だ。
駅伝でも結果を残しており、2年時は都大路5区区間賞、3年時は3区区間賞。1月の都道府県駅伝5区では区間新の走りを見せ、長野県の4連覇に貢献するなど、期待されるときっちりと応えるところに佐々木の強さを感じる。
高校、大学のOBの大迫傑と、大学生でオリンピアンになった三浦龍司をリスペクトしており、勝気な性格は両者に通じるところがある。箱根駅伝は1区が希望区間だが、坂が得意でもあるので、鈴木とともに早稲田の新たな黄金時代を築く選手になるかもしれない。

