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「とうちゃんの給料が安い」落合博満“夫人”が猛反論「3億円欲しい」中日・落合まさかの年俸調停のウラで…星野vs落合の不仲説、星野監督との知られざる関係

posted2025/02/24 11:04

 
「とうちゃんの給料が安い」落合博満“夫人”が猛反論「3億円欲しい」中日・落合まさかの年俸調停のウラで…星野vs落合の不仲説、星野監督との知られざる関係<Number Web> photograph by KYODO

2011年2月オープン戦、中日対楽天。メンバー表を交換する楽天・星野仙一監督と中日・落合博満監督

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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40歳での鮮烈なFA宣言、巨人へ電撃移籍した落合博満……1993年12月のことだった。
あれから30年。巨人にとって落合博満がいた3年間とは何だったのか? 当時を徹底検証する書籍「巨人軍vs.落合博満」が3刷重版と売れ行き好調だ。
「星野仙一vs.落合博満」……中日時代、不仲説が流れた2人、本当はどんな関係だったのか? 「巨人軍vs.落合博満」特別編、巨人落合が誕生する前夜の物語。【全3回の後編/前編中編も公開中】

<当時の中日ベンチは、ピンチになると一塁の落合に積極的にマウンドへ行くように促していたという。その理由を、星野は監督退任後に明かしている。>

「落合が野球を良く知っており、アドバイスが適切なことである。普通の選手なら『頑張れ』『思い切っていけ』ぐらいしか言えないのに、『こいつ、カーブを狙っているぞ』『テンポが早いよ、もっとゆっくり投げろよ』と、具体的に助言する。おまけにのんびりした東北弁で決して急ぐことがない。それが浮足立っている投手の気持ちを静めるのに効果がある」(文藝春秋1994年8月号)

 投手の好不調は背中からの方がよく判別できる。首脳陣はダグアウトより近い、一塁の守備位置から自軍投手の後ろ姿を観察している背番号6に絶大な信頼を寄せていた。さらに星野は、人並みはずれた落合の危機管理能力と洞察力をこう絶賛する。

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「落合は、ピンチになると味方ベンチをしきりに覗き込む癖をもっていることだ。ベンチの指示、気配を窺っているのである。このことだけでも彼の野球センスがいかに優れているか分かる」(文藝春秋1994年8月号)

年俸調停…信子夫人「とうちゃんの給料が安い」

 1991年春には、前年に本塁打と打点の二冠王に輝いた落合が、年俸3億円を希望するも、球団側の提示とは開きがあり年俸調停へ。「俺は自分を1個の商品として考える。だから自分を高く売りたいんだ」とキャンプにも自費参加した。そんな我が道を行くオレ流に対する一部OBからの批判の声に、二人三脚で歩んできた信子夫人は週刊誌を通して、強い口調で反論している。

「バカなこといってんじゃないよ。今の日本、どこの家庭でも“とうちゃんの給料が安い”っていってるんだ。綺麗ごとだけでは生きていけないよ。金はキレイなもんさ。汚くしてるのは、人間のいやしい気持ちなんだよ」(週刊ポスト1991年2月22日号)

【次ページ】 “星野監督辞任”ニュース「自分のことだけを考えよう」

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