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「ほ、ホントにご本人ですか?」ダルビッシュから突然の連絡→球速160キロに→ドジャース入団…元DeNA北方悠誠「嘘のような本当の逆転人生」 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byYujo Kitagata

posted2025/02/22 11:16

「ほ、ホントにご本人ですか?」ダルビッシュから突然の連絡→球速160キロに→ドジャース入団…元DeNA北方悠誠「嘘のような本当の逆転人生」<Number Web> photograph by Yujo Kitagata

驚きの申し出からダルビッシュの教えを受けて、ドジャースとの契約に至った北方悠誠。大逆転人生を語りつくした

「プロ野球に入って、本当に何もできずに4年間が終わって、そこからもがいてといいますか、試行錯誤しながら独立リーグを歩いてやってきた。

 ドジャース入団はそのご褒美だなと思っています。夢に見たこともなかったですから。まあ大変な野球人生だったと思うんですけど、振り返ってみたら本当にいい経験させてもらったなと」

なぜ自分を信じ続けられたのか

 ベイスターズで3年のキャリアを終えた時、北方がここまで野球を続けるとは誰も想像しなかっただろう。しかし、なぜそこまで自分を信じ込めたのだろうか。

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 毎年、多くの選手がプロの門を叩く。同時に、大勢があっさりクビを切られてしまうというのがプロの世界だ。若くして職場を失った時にどういう選択をするかには、どんな選手でも悩むという。そんな中で、北方の数奇な人生は一つの物語のような趣を見せている。

 最後に尋ねてみた。北方に、自分を信じさせたものは何だったのか。そして、戦力外通告を受けた時に、どういう選択をするのが最適解なのか。

「イップスとか色々言われましたけど、僕の中で指先の感覚だけは失っていなかったんです。だから、元通りに投げられれば、できるんじゃないかって思えたから続けました。

 本当に、もうボールを触らなくてもいいと思うんだったら、やらない方がいいと思います。でも、少しでも自分に未来を感じるというか、将来が少しでも見えているんだったら、後悔しないように続けた方がいいと思います。33歳とかになって戻れるところではないと思うので、若いうちはできる限りやってほしいなと」

佐賀県からメジャーリーガーを

 今、北方は中学生に指導をしている。メジャー式の練習を取り入れたりはしていないものの、指導者として目指すのは「佐賀県からメジャーリーガーを出したい」という夢だ。自身は夢に見たこともなかったメジャーの大舞台。北方の夢は現役時代の時よりも大きくなっている。

 そんな夢を抱かせたのが、アメリカでのある経験だった――。

〈全3回の2回目/つづきを読む

#3に続く
「人生やり直せるなら、高卒でアメリカに行きたかった」数奇な野球人生を送った元DeNAドラ1・北方悠誠がドジャースで見た“ある光景”とは
この連載の一覧を見る(#1〜3)

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