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“38年ぶりのワンマッチ興行”で後楽園ホールが超満員に…ウナギ・サヤカはなぜ歴史を変えられた? “カタブツ”里村明衣子も認めた「ウナギのすごさ」
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/02/18 17:39
2月16日、ウナギ・サヤカと里村明衣子の後楽園ホール・ワンマッチ興行は24分21秒で里村が勝利した
「終わろうとしている人間と先に行こうとしている人間の力は違う」とスクリーンで言っていた鈴木みのるの姿もリングサイドにあった。KAIRIもいた。
「何があっても、大きい夢を見て、大口叩いて…」
入場した里村は赤コーナーに。青コーナーに入ったウナギはガウンの背中に「里村明衣子」を大きく入れている。ウナギがコーナーに上がり、黄色のテープが投げ入れられた。
強い里村と食らいつくウナギがいた。場外では里村にゴム攻撃まで浴びせて会場を沸かせた。グラウンドも里村が支配していた。だが、ウナギが腕を取り里村を苦しめ、藤波と戦った木村のように雪崩式のブレーンバスターを放つ場面もあった。
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ウナギは里村のかかと落としのスコーピオライジングを一度はブロックしたが、デスバレーボムを浴び、ローキックで動きを止められ、最後はスコーピオライジングに沈んだ。24分21秒。試合が終わったのは16時49分だった。
「私はただ引退するだけじゃないよ。ウナギ、まだまだ、続く気がするな。私は引退した後も死ぬまでプロレスに人生懸ける。何があっても人生懸ける。今日試合をしてウナギのそういう匂いを感じたなあ。満員のお客様を集めていただいて試合できたことをウナギに感謝します。でもこれで終わりじゃないよ。4月だってあるだろう。もっと目指しているもの、あるだろう」
里村の呼びかけにウナギが言う。
「あなたが引退を決めた日、絶対に何かで里村明衣子に勝って一番になりたいと思った。おい、メイメイ、引退する前にウナギ・サヤカとシングルできてよかったな」
ウナギはマイクを続けた。
「今でもたくさんの人が『昔のプロレスはよかった』って言ってる。確かにそうです。昔のプロレスラーがプロレスを作り上げてきて、後楽園も当たり前にパンパンにして。マジ格好いいし、めっちゃすごいし。でもさあ、今こうやってリングの上で生きて、プロレスをしているのは今の現役レスラーなんですよ。だから何があっても、大きい夢を見て、大口叩いて、戦場で実際に行動して、夢を叶え続けるとオマエに誓うよ」







