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アプリリアの小椋藍、開幕前テストで好感触! その小椋を笑わせた、MotoGP最速マシンで好調のマルク・マルケスが放ったジョークとは?

posted2025/02/18 11:01

 
アプリリアの小椋藍、開幕前テストで好感触! その小椋を笑わせた、MotoGP最速マシンで好調のマルク・マルケスが放ったジョークとは?<Number Web> photograph by Satoshi Endo

MotoGPクラスのウインターテスト後半、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットでアプリリアを駆る小椋

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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 2025年シーズンに向けて、マレーシアで3日間、タイで2日間行われていたMotoGPクラスのウインターテストが終了した。

 注目したのは、昨年のMoto2チャンピオンで今年から最高峰クラスに参戦する小椋藍。5日間の公式テストを終えて予想以上の走りを見せ、開幕戦タイGPからポイント獲得はもちろん、トップ10フィニッシュも期待させた。

 アプリリアのサテライトチーム「トラックハウス」から参戦する小椋は、今季初テストの舞台となったマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで、テストライダーとルーキー、さらにコンセッション(優遇措置)が適用される一部のメーカーのライダーが走行可能な3日間のシェイクダウンテストに参加。3日間の公式テストと合わせて6日間走行し、総合14位の結果を残した。続いてタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで行われた2日間のテストでは、11番手へとポジションを上げてテストを締めくくった。

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 マレーシアのトップタイムはアレックス・マルケス(グレシーニ)の1分56秒493だから、小椋との差は1.261秒。タイではマルク・マルケス(ドゥカティ)のトップタイム1分28秒855に対し、その差は0.781秒だった。小椋は「ブリラムは1周のラップタイム(コース距離)が短いのでセパンよりタイム差を縮めたい。その差が1秒以内ならうれしい」とコメントしていたが、その目標をあっさりと達成したかたちだ。

ルーキーではぶっちぎりの好タイム

 もともと設定していたタイムはマレーシアが1分57秒台、タイは1分29秒台だった。ルーキーとしてはかなりハイレベルな想定タイムだったが、そのどちらも達成。「トップ10を狙う?」という質問に「もちろん、トップ10に入れたらうれしい」と語っていたが、惜しくもトップ10入りは果たせなかった。それでもセッション終盤まで7、8番手につけていたし、ルーキー勢ではぶっちぎりのトップタイムだった。

 セパンとチャーンは、タイトルを獲得したMoto2時代から小椋が得意としているサーキットである。特にタイはMoto2でチャンピオンを決めた相性のいいサーキットだ。さらに小椋にとって追い風となったのは、テストの全日程が熱帯の国で行われたこと。スコールが少なかったことはラッキーで、走行時間を十分に取ることができた。その結果、マレーシアでは約2000km、タイでは約800km走り込めた。かなりの距離を走ったことになるが、「フィジカル面でも特に足りないというところはなかった」とコメントしており、普段のトレーニングの成果がMotoGPクラスでも十分に通用することを証明した。

 だが小椋は、テスト前には最高峰クラス挑戦への不安をこぼしていた。

「Moto3やMoto2時代も開幕前は緊張したけど、MotoGPは違う緊張がある。Moto3やMoto2にはあいつには絶対に負けないというライダーがいた。不安があっても、それは勝てるだろうかという不安だった。でも、MotoGPはチャンピオンばかりが集うクラス。ビリになるんじゃないかという不安もある」

【次ページ】 マルケスがワークスマシンで見せた底力

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