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最速マシンゲットで死角なしのマルク・マルケス、今季初戦で完全Vなるか? ホンダとヤマハも復調気配のMotoGP開幕直前レポート《3月2日決勝》

posted2025/02/28 11:03

 
最速マシンゲットで死角なしのマルク・マルケス、今季初戦で完全Vなるか? ホンダとヤマハも復調気配のMotoGP開幕直前レポート《3月2日決勝》<Number Web> photograph by Satoshi Endo

派手さはなくとも、テストでは好調ぶりをうかがわせたドゥカティのマルケス

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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 MotoGPの開幕戦タイGPが3月2日、ブリラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで決勝を迎える。タイGPが初めて開催されたのは2018年のこと。20年、21年はコロナ禍で中止だったので今年で6回目。開幕戦の舞台となるのは初めてのことで、26年も同じく開幕戦の開催が決まっている。

 MotoGPはこの数年、開催数が増えている。21年には初めて全20戦のカレンダーが組まれた(コロナ禍の影響で実際の開催は18戦)。22年、23年は当初全21戦が予定され、史上最多の20戦が行われた。24年は22戦という史上最多の日程となったが、3年連続で20戦の開催となった。カレンダーが発表された時点で「あの国は開催できないだろう」と予測される見切り発車がこの数年続いていたが、今年はついに22戦が開催されるのでは……という現実的なスケジュールとなった。

乗りやすくなったMotoGPマシン

 加えて23年シーズンからは、土曜日に決勝レースの半分の周回数で行われるスプリントレースが加わった。今年全22戦が開催されたとすれば、全44レースが行われることになる。ライダーたちはハードな日程に加え、レースウイークを通じて緊張感から解放される時間がどんどん少なくなり、フィジカル面でもメンタル面でも負担が増加していることは間違いない。その一方、電子制御の進化などでMotoGPマシンが乗りやすくなっていることも事実であり、Moto2クラスからスイッチするルーキーが1年目から活躍するようになってきた。

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 20数年前の2ストローク500cc時代から取材している者にとっては、まさに「今は昔」。電子制御もなく、ライダーがアクセルワークでマシンをコントロールしていた時代は、最高峰クラスに上がったルーキーが多くの転倒を経験し、一人前のライダーになるのに3年はかかると言われたのが嘘のようである。

 そんな時代にあってマルク・マルケスはデビュー初年度から大活躍し、史上最年少優勝やチャンピオン獲得など多くの記録を生んできた。そのマルケスがドゥカティワークスに移籍した今年は、19年以来7度目のタイトル獲得の期待が膨らんでいる。マレーシアとタイで行われたウインターテストでは、チームメートで22年、23年のチャンピオンのフランチェスコ・バニャイアを上回る内容を残し、今季のチャンピオン候補の筆頭に浮上している。

【次ページ】 ホンダとヤマハは復調気配濃厚

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