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「まるで別人…ユーキに“キレ”が戻った」石川祐希の“強烈サーブ”を至近距離で見た記者が確信「ペルージャは苦境を脱出した」次戦は大塚達宣と日本人対決 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2025/02/12 17:00

「まるで別人…ユーキに“キレ”が戻った」石川祐希の“強烈サーブ”を至近距離で見た記者が確信「ペルージャは苦境を脱出した」次戦は大塚達宣と日本人対決<Number Web> photograph by Takashi Yuge

復調の兆しを見せるペルージャで存在感を示す石川祐希

「(プロトニツキは)もう練習も普通にこなしています。これからリーグ戦が残り3試合、その後(8位以上のクラブによる優勝決定)プレーオフがある。3月に入ったらチャンピオンズリーグのクオーターファイナルもあるので、そこに向けてチームを作っていくときです。また(アウトサイドヒッター2枠を)3人で回すことになると思いますが、そうなれば出るときも出られないときもある。それでも僕が出るときにはしっかりとしたパフォーマンスをしたい」

 プロトニツキ不在の苦境を石川と乗り越えてきたOHカミル・セメニウクは、2月上旬の地元有力紙『コリエレ・デッルンブリア』の取材に対し、今季から加わった石川をこう評している。

「同じ選手と長くいっしょにやっていれば、互いに信頼感が出てきてプレーし易くなるのは確かだ。ユーキが入団してきて、コート内で呼吸を合わせるのに少し時間がかかったけどそれは仕方ないこと。ユーキは経験ある素晴らしいプレーヤーだよ。プロトニツキとはちがうタイプでも、うちへの順応に心配はしていなかった。彼とプレーを理解し合うのに3試合で十分だった」

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 世界ランキング1位(2025年1月現在)のポーランド代表アタッカーの言葉は、開幕から約5カ月を経てペルージャのOHトリオが慣熟したことを強調している。

“最高峰”で味わう、熾烈な勝ち点争い

 レギュラーシーズンは大詰めだ。おそらく、3月2日の最終節まで2位トレンティーノとの熾烈な勝ち点争いが続くだろう。

「レギュラーシーズンを1位で終えるに越したことはないですが、昨日の試合前日ミーティング時点で僕らは2位だった。トレント(=トレンティーノ)がつまずくかもしれないので、とにかく2位の位置をキープしていこうと。すると、実際に昨日彼らがピアチェンツァとフルセットになって勝ち点1を落として、また僕らが1位になった。今後もなるべくセットを取られずに、1位か2位をキープしていきたいと思います」
(※クラブ世界選手権に出場したトレンティーノは、未消化分の12節ラティーナ戦を2月19日に予定している)

「残り3カードのミラノとモンツァ、ピアチェンツァはどこも、レギュラーシーズンが終わった後に当たる可能性はある。(4位)ピアチェンツァとはプレーオフのクオーターファイナルで当たるかもしれないし、チャンピオンズリーグではモンツァと対戦します。そこもしっかりイメージしながら、今後の練習と試合を戦っていきたい」

 ユーキ・イシカワは、セリエA通算出場280試合以上を誇る歴戦のベテランプレーヤーだ。前節では国内公式戦通算3000得点という大台記録も達成した。

 だが、最終節まで首位を競り合う緊張感を味わったことはなかった。

 シーズンの山場を見据える石川は、アスリートとしての本懐に顔をほころばせる。

「今までにない初めての経験なので、めちゃめちゃ成長できるチャンスだと思います。ただ、そんなに簡単な話でもない。(プロトニツキ復帰によって)コートに居続けるのも難しくなる。ここから先も少しでもコートに立って、いろいろな経験を積んでいきたい」

【次ページ】 大塚との日本人対決「いい準備します」

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