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「あえて寝不足です…ハハハ」永瀬拓矢が旧知の記者に語った“80分の本音”藤井聡太に負けても「まだまだ強くなれる」なぜ明るい口調なのか
text by

大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph byNanae Suzuki
posted2025/02/11 06:02

2日制タイトル戦、そして王者・藤井聡太と向き合う感覚を永瀬拓矢が語り尽くしてくれた
前回の王座戦の取材時は話を聞いているのがつらくなってきて話題を変えるため、つまり逃げるためだったのだが、今回は違う。箸休めだ。
「『四つ星苺のシャルロット 練乳エスプーマとトンカ豆ソース』を2日間の午前と午後で4連投したのはなぜですか?」
すると永瀬は「美味しかったですねえ」と実感を込めて唸り、さらに続けた。
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「自分は好き嫌いがあって、口に合わないものも結構あるんです。でもこれは予想の10倍美味しかった。私はわかりやすいですよ。美味しかったらその後で必ず頼みますからね」
勇気氏が2勝した要因の一つが手番なんです
ふと時計を見ると、取材が始まってから1時間が過ぎていた。前回の王座戦第2局の電話取材は70分強である。まだまだ聞きたいことはあるが、そろそろ終わりを見据えて進めなくてはいけない。聞きたいのは次、第4局のことである。3連敗しており、次に負けたら終わりの将棋が後手番とは厳しい状況だと思うが、永瀬は「自分は先手信者ではない」と以前に話していた。どう臨むつもりなのだろう。
すると突然「勇気氏が去年の竜王戦で藤井さんから2勝した要因の一つが手番なんです」と、佐々木勇気八段の名前を出して語り始めた。王将戦の戦い方とどう関係するというのか。〈つづく〉
