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「悔しさと焦りと、どうしようかなっていうのと…」錦織圭(35歳)がいま明かす復帰までの“葛藤の日々”「ネガティブな感情はひと通り経験した」 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byYuki Suenaga

posted2025/02/07 17:02

「悔しさと焦りと、どうしようかなっていうのと…」錦織圭(35歳)がいま明かす復帰までの“葛藤の日々”「ネガティブな感情はひと通り経験した」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

長きにわたる怪我を乗り越え復活した錦織圭(35歳)が現在の心境を語った

「それはありましたね。浦島太郎的な――久々に帰ったら地元変わってた、みたいな。自分がここにふさわしいのかっていうのもあったし。挑戦っていう感じでした」

「もうちょっと我慢すれば可能性あるぞ」

 1回戦では世界166位の予選勝者ガブリエル・ディアロを4時間22分かけて振り切る。疲労の色が濃かったが、それ以上に安堵感が見てとれた。コーチたちと幸福感を分かち合っているようにも見えた。待つだけの日々に、ようやく別れを告げた。

「まだいけるんだなっていうのと、もうちょっと我慢すれば可能性あるぞっていうのが少し見えた試合だったと思います」

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 ただ、この大会で得られたのは「まだいけるかも」というほどの自信にすぎなかった。ベン・シェルトンとの2回戦は右肩痛で途中棄権。サーブは最速でも160kmほどで、体も思うように動かなかった。その状態で「ここまでできた」という手応えしか収穫がなかった。

 右足首を捻挫し、調整不足で臨んだウィンブルドンは1回戦敗退。5大会連続出場となったパリ五輪でも初戦敗退と、不完全燃焼が続く。それでも大会時は前向きな言葉を残していたが、今回のインタビューでは「全仏とパリ五輪はボロボロだった。動きも悪かったし、結構ショックが大きかった」と、かなり自己採点が辛かった。

 ようやく「戻った」と思えたのは、8月、カナダ・モントリオールのマスターズ大会、アレックス・ミケルセンとの1回戦だった。

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