「ミトマのサウジ移籍の噂、教えてくれ」英国人記者が大騒ぎ…「じつは172億円、再オファー報道も」現地で日本人記者が聞いた、三笘薫へのオファー拒否“全真相” 

　また、英紙タイムズの記者も「君の見立てに同意する」と返事をくれたが、少しばかり異なる見方を示した。「ブライトンはニュースを通じて決意表明を出したように見える。どうやらアル・ナスルは7500万ポンド（約145億円）まで増額すると言っているようだが、『その金額でも、ミトマは売りません』とね。CL出場権のあるクラブでも、この金額は提示できないと思うよ」とし、今回の件でブライトンの考え方が垣間見えたと話した。

　この後も、アル・ナスルの札束攻勢は続いた。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドやセネガル代表FWサディオ・マネを抱えるこのサウジアラビアの雄は、手綱を緩めなかった。

　タイムズの記者が言うように、アル・ナスルはオファーを増額した。移籍情報の第一人者となったファブリツィオ・ロマーノ記者によると、アル・ナスルは「7500万ポンド＋出来高418万ポンド」まで金額を釣り上げた。日本円で「145億円＋出来高8億円」と、かなりの高額だ。

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　ただこれだけでは収まらない。米国のCBS放送は「アル・ナスルは9000万ポンド（約172億円）に増額して再オファーを出す見通し」と報じた。このCBS放送のプレミア番は『ロンドン・イブニング・スタンダード』の元記者で、情報にも信用が持てる。天文学的数字が並び始め、筆者は思わず目がくらんだ。

2月1日、敵地でのノッティンガム・フォレスト戦。試合前のウォーミングアップ　©JIJI PRESS

　しかし翌日の31日午前になって、英衛星放送スカイポーツが「アル・ナスルが交渉から撤退した」と伝えた。同局は「ブライトンはもともと三笘の売却に乗り気でなかった。5400万ポンドのオファーを拒否し、増額オファーにも応じなかった」とし、アル・ナスル側が諦めたと報じたのだった。

　アスレティックの第一報から、スカイスポーツによる撤退報道まで、時間にして約17時間──。104億円→145億円→172億円と続いた「巨額オファー報道」は、こうして終焉した。

クラブ広報「安心して。移籍はないから」

　翌日の2月1日、筆者はノッティンガム・フォレスト対ブライトンの取材で、イングランド中部のノッティンガムに出かけた。

　プレスルームに到着するなり、ブライトン番記者が笑顔を見せる。互いに情報を改めて交換し、「カオルに関するサウジ報道は終わった」と胸を撫で下ろした。

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