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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「打っているのに、全然気持ちよくない」井上尚弥がキム・イェジュンの連打を“受け止めた”真意…怪物と最も拳を交えた男が解説「ネリ戦もそうですし…」
posted2025/01/28 11:00
text by
森合正範Masanori Moriai
photograph by
Naoki Fukuda
◆◆◆
――Xに「やっぱりボクシングはいいですね」と投稿していましたね。
「試合当日、SNSでボクシングの話題が盛り上がっていました。井上選手がきっかけでアンダーカードを見たり、ボクシングをやってみようとなれば嬉しいです。一見、暴力的と思われるかもしれないですけど、試合後、チャンピオンがインタビューを遮って、キム選手の健闘を称えていた。ああいうシーンを見ると、やっぱりボクシングっていいな、とすごく感じますよね」
「13日前なら、もう減量もやっていて…」
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対戦が予定されていたグッドマンが負傷して1カ月延期となった。再び傷を負い、試合13日前に、対戦相手がキム・イェジュンに変更となった。
――ボクサーにとって、試合延期の影響はどうでしょうか。
「僕の初めての日本タイトルマッチは2カ月延期になったんです。他のボクサーはわからないですけど、僕は試合が近づくにつれ、もう少し練習したい、こうしたいというのが出てくる。その分、上乗せできたのでプラスになりました。でも、それは相手が変わらなかったので。ましてや今回は13日前ですから」
――対戦相手の変更はかなり厳しい事態ですよね。
「相手が同じならやることは変わらないですが、対戦相手が変更となればやることは全部変わってきます。しかもオーソドックス(右構え)からサウスポー。今まで積み上げてきたものを一気に変えないといけない」
――もし、同じ立場ならどうですか。
「いやあ、困ります。変更を聞いた瞬間、すべてを忘れて『わかりました』と開き直るか、尻込みしてしまうか。僕はサウスポーが嫌いだったので、あえて対策しないかもしれない。それこそ、過去のサウスポー相手にやってきたことを思い返すくらい。13日前なら、もう減量もやっていて、スパーリングもほぼ打ち上げに近い時期。ボクサーはスパーリングでイメージをつくっていくけど、それができない。もうマス・ボクシングとシャドーでイメージしていくしかないですね」