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「イチローと松井秀喜…どちらが上か?」ファンの論争、不仲説まで…メジャーの取材記者が明かす“真相”「じつはアメリカでも“イチ松論争”あった」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2025/01/23 11:00

「イチローと松井秀喜…どちらが上か?」ファンの論争、不仲説まで…メジャーの取材記者が明かす“真相”「じつはアメリカでも“イチ松論争”あった」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

イチローと松井秀喜。ナゾの不仲説もあった2人の関係とは

 その年の7月、シカゴのセルラーフィールド(現レイトフィールド)で開催されたオールスター戦にア・リーグチームのメンバーとしてそろって出場した2人は再びフィールドで談笑する姿を見せていたが、互いにメジャーで年数を重ねていくうちに、そんなシーンを目にすることは少なくなっていった。

加熱する論争…実は米国でも

 それとともに「イチ松論争」も過熱していった。「イチオタ」対「松井オタ」による言い争いの主な論点は、安打マシンでスピードスターのイチローに対し長打力のある松井、選手としてどちらがより価値が高いのかということだ。しかも松井が所属していた当時のヤンキースは、その7年間でポストシーズン進出6度、ワールドシリーズ制覇1度と常勝軍団であり、100打点以上を4度記録した松井のチームへの貢献度もオタにとっては「自慢」だった。松井ファンの一部の人々はイチローのプレースタイルを嫌い、批判的な主張を展開していた。もちろんイチローと松井の両方を応援するファンもいたが、熱心なイチローファンにはイチローしか眼中にないという人もいて、松井ファンにとっては無視されるのもまた腹立たしいという構図になっていたような気がする。「イチ信」「松井信者」「イチアン」といった言葉が使われ、ファン同士の貶し合いが過熱していた。

 興味深いことにそんなファンの構図は日本だけでなく、米国にも存在した。筆者の身近にも松井好きでイチロー嫌いという記者がおり、例えばニューヨーク・ポスト紙で長くヤンキース番記者をしていたジョージ・キング記者がそうだった。

〈つづく〉

#2に続く
「米メディアにもイチロー派、マツイ派がいた…」イチローと松井秀喜の“関係”「ナゾの不仲説はなぜ?」取材記者が“2人の再会”に胸を震わせた理由

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